病院内で医療従事者が患者や家族から暴言や暴力を受けるいわゆる「院内暴力」が近年取り上げられるようになってきたが, その実態は明らかではない. われわれは国立病院機構鹿児島医療センターの全職員を対象に院内暴力体験の有無についてアンケート調査を行った. 職員の約25%, 看護師の約35%が被害を受けていた. 被害者の約半数近くは誰にも相談せず一人で抱え込んでいた. 労働意欲の低下や退職したいと感じたものも多かった.
不当な暴力に対しては組織として毅然とした態度で臨み, 職員を守り被害者の精神的サポートもしていくことが重要と考えられた.
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