目的:強迫症状をもつ患者のリカバリープロセスを明らかにし看護支援について考察する.
方法:国内で出版された体験記7件を対象にグラウンデッド・セオリー・アプローチ(Strauss & Corbin版)を用いて分析した.
結果:現象の【中心となるカテゴリー】の【医療機関受診を継続することへの自問】とそれを説明する7つの《サブカテゴリー》,3つのストーリーラインが抽出された.抽出されたプロセスは(1)治療が奏効し回復に至るルート(2)受診に伴う負荷が大きく受診を中断し症状が悪化するルート(3)期待に見合う症状の改善がみられないため受診を中断し自ら症状改善のための方策を模索することで回復に至るルートであった.
結論:3つのプロセスが明らかとなり治療による症状改善と主体性の回復,回復に向けた主体的な行動,価値観の変容が重要と考えられ,看護職は患者の受診継続と主体的な行動を支援する必要性が示唆された.
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