〈はじめに〉当院では,2008年4月からDPC を導入し
た。DPC 導入は医療の質と効率化,経営の質の向上を目
的としていることから,導入に際しDPC 作業部会の中
に,この目的を達成する為の4つのワーキンググループを
設置した。医薬品グループは,
後発薬
品採用を含む院内採
用薬品の見直しと経済効果について検討を行った。
〈方法〉医薬品グループは呼吸器科部長,診療部長,薬剤
部長を中心に総勢8名で検討を行った。DPC 導入による
経済効果は医薬品の
後発薬
品導入が大きいとされているこ
とから,薬剤部で採用薬品の見直し,
後発薬
品の選定を行
い,医薬品グループの検討の基礎資料とした。
薬剤部での
後発薬
品の選定は,(1)当院での購入実績メー
カー,(2)他の厚生連病院の使用実績,(3)他の病院の使用実
績,(4)納入価格を参考とした。
〈結果〉循環器用剤,造影剤,制癌剤の
後発薬
品への変更
は,使用している医師にアンケートで,変更への可否を確
認したところ,医薬品グループの選定した
後発薬
品に対し
ては,変更の同意が得られた。DPC 導入時に122品目の後
発薬品を導入した。医師への薬剤選択の負担軽減のため
に,電子カルテでの薬剤選択時は,先発薬品名,
後発薬
品
名のいずれの3文字入力をしても「
後発薬
品名(先発薬品
名)」を画面表示することでスムーズな移行が行われた。
DPC 導入後,7ヶ月間の医薬品購入金額は対前年度と比
較して5,100万円の購入費圧縮が見られた。看護師などの
現場スタッフには,先発薬品と
後発薬
品の対比表とカラー
写真付の情報カードを配布してリスク軽減策とした。
〈まとめ〉DPC 導入時には,
後発薬
品を採用することに
より経済効果を期待する場合が多いと思われるが,スムー
ズな移行には処方医の負担軽減,看護師のリスク対策など
が重要である。
後発薬
品の医薬品情報提供などは,薬剤部が積極的に関
わっていく必要があると思われる。
抄録全体を表示