近年, タイプA行動八ターンの意義についての評価に変遷がみられるが, 虚血性心疾患親和性行動パターンというものが存在するという認識は一般化しつつある.いわゆる日本的タイプA行動八ターンと虚血性心疾患との関連を器官選択という視点でみることによって, タイプA行動の形成と顕現化に関して, 特に幼少期の養育過程, タイプA行動を顕現させる不安, あるいはタイプA行動に伴う抑うつなどの心理的要因, タイプA行動パターンの自律神経機能とβ遮断薬の役割などを再認識する必要が示され, タイプA行動パターンが虚血性心疾患へと向かう経過を予防するために有益な問題提起や情報が得られると考えられる.
抄録全体を表示