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クエリ検索: "性別役割分業"
2,229件中 1-20の結果を表示しています
  • ― 料理や掃除のしかたを教えることに着目して ―
    戸髙 南帆
    家族研究年報
    2023年 48 巻 59-74
    発行日: 2023/07/15
    公開日: 2023/10/13
    ジャーナル フリー

        本稿では、子どもに家事を教えることに着目して、

    性別役割分業
    意識を平等化する可能性を検討する。「子どもの生活と学びに関する親子調査」のペアデータを用いて、親子それぞれの
    性別役割分業
    意識をふまえながら、小学校高学年から中高生の子どもを対象に、母親が家事のしかたを教えるという行為の効果を探った。その結果、女子と比較して、男子は「男性は外で働き、女性は家庭を守るほうがよい」という
    性別役割分業
    を支持する傾向にあるものの、母親に家事を教えてもらった経験がある男子ほど、
    性別役割分業
    を支持しない傾向がみられた。この傾向は母親の
    性別役割分業
    意識などを考慮しても確認された一方で、女子については有意な効果が認められなかった。このことから、子どもが男子である場合、
    性別役割分業
    に沿わない家事という行為を教えること自体が、ジェンダー意識を問い直す契機となり、意識の平等化を促す効果をもっていることが示唆された。

  • 固定効果モデルに基づく男女比較分析
    木村 裕貴
    社会学年報
    2020年 49 巻 63-74
    発行日: 2020/08/30
    公開日: 2022/10/28
    ジャーナル フリー

     本稿の目的は,

    性別役割分業
    意識の個人内変化の規定要因を検証することで,第1子出生による親への移行は
    性別役割分業
    意識にいかなる効果を及ぼすのかという問いを解明することである.日本社会を対象とした
    性別役割分業
    意識研究には膨大な蓄積があるものの,個人内変化に関する検証が十分ではなかった.本稿では,ジェンダー不平等が尖鋭化するライフイベントとして第1子出生による親への移行に着目し,
    性別役割分業
    意識として3つの指標を用いて検証した.パネルデータを用いた固定効果モデルの推定の結果,親への移行が
    性別役割分業
    意識に及ぼす影響として,女性においては狭義の
    性別役割分業
    意識と母親就労の悪影響意識を非伝統的な方向へ変化させる効果が認められた一方,男性ではいずれも効果が認められなかった.また,とりわけ女性における母親就労の悪影響意識に対する親への移行の効果は,第1子出生からの経過年数が増すにつれ線形で増大することが示された.以上の結果は,現代日本社会におけるジェンダー不平等の根深さを照射しているとともに,育児期の女性が
    性別役割分業
    に関するイデオロギーを相対化していくメカニズムを示唆する.人々のライフコースにおけるジェンダー不平等を捉えるうえで,親への移行に焦点化する研究戦略が有効だと思われる.

  • ―若年既婚者へのインタビュー調査から―
    田 嫄
    21世紀東アジア社会学
    2016年 2016 巻 8 号 138-150
    発行日: 2016/06/30
    公開日: 2017/05/22
    ジャーナル フリー

     China is witnessing its remarkable economic growth; in the meanwhile,however, the gender division of labor consciousness among young population tends to become conservative. Similar findings were also obtained in Japan. It turns out that there exists an identical trend in these two countries.
     In this study, a semi‐structured interview was conducted on the married females who gave birth in their 20s and 30s, and with children rearing experience, when the parents of these women were both living and in good health. Interviewees were sampled from cities with three urban hierarchies in China. The relationship between life events and the change of gender division of labor consciousness among young Chinese women was analyzed from a "micro" point of view. Results show that along with life events (such as embarking on higher education, finding a job, or getting married) that occurs, interviewees are predisposed to conventional gender division of labor consciousness. Even though getting married and children rearing are regarded as important life events that account for such a change, the change gradually took place prior to these events as explicitly revealed in this study.

  • ~第3号被保険者制度の役割再考
    大高 直美
    日本年金学会誌
    2014年 33 巻 38-45
    発行日: 2014/04/01
    公開日: 2019/05/28
    ジャーナル フリー
  • 「学校体育・教育・教員」
    三上 純
    スポーツとジェンダー研究
    2022年 20 巻 62-65
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
  • *岩佐 一, 吉田 祐子
    日本心理学会大会発表論文集
    2020年 84 巻 PC-114
    発行日: 2020/09/08
    公開日: 2021/12/08
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,父親の育児参加の向上に資する知見として,父親の育児・家事参加と

    性別役割分業
    意識及び配偶者からのソーシャルサポートとの関連を検討した。

    0~6歳児を養育する父親(25~50歳)にWEB調査を実施し360人のデータを取得した。目的変数として,育児(児の世話等6項目)及び家事(料理等5項目)の実施状況の測定尺度(「父親の育児・家事参加」)を用いた。説明変数として,

    性別役割分業
    意識(「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」),「母性愛信奉尺度」,配偶者からのソーシャルサポート(①評価,②情緒,③手段,④ネガティブサポート)を用いた。調整変数として,配偶者の就労(フルタイム,パート,専業主婦),年齢,児の人数,経済状態自己評価,労働満足度,夫婦関係満足度を用いた。

    重回帰分析の結果,配偶者が専業主婦(β=-0.32),年齢(β=-0.12),

    性別役割分業
    意識(β=-0.17),評価的サポート(β=0.19),ネガティブサポート(β=0.13)が,父親の育児・家事参加に関連した。父親の育児・家事参加の向上には,平等的な
    性別役割分業
    意識,配偶者からの評価的サポート及びネガティブサポートが高いことが寄与する可能性が示唆された。

  • 日本・韓国・台湾・中国・ベトナム・タイにおける比較
    伊達 平和
    社会学評論
    2013年 64 巻 2 号 187-204
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/09/30
    ジャーナル フリー
    本稿では, 東アジア・東南アジア社会の「圧縮された近代」に伴う急速な家族の変容と, 価値観の変容を背景として, 家父長制意識の多様性とその意識に対する高学歴の影響を計量的に分析した. まず, 瀬地山角の東アジアにおける家父長制研究より, 家父長制意識を父権尊重意識と
    性別役割分業
    意識の2つの軸で捉え, I家父長主義, II父権型平等, III自由・平等主義, IV分業型自由の4つの型に整理した. 次に, 日本, 韓国, 台湾, 中国, ベトナム, タイの6地域のデータから, その2つの意識の平均値を比較した. さらに, 年齢などの変数を統制したうえで, 二項ロジスティック回帰分析による多変量解析を行った.
    分析の結果, これら6地域の家父長制意識の相対的な布置関係が明確に示された. 中国と台湾は家父長主義, 韓国は父権型平等, 日本は自由・平等主義, タイとベトナムは分業型自由に分類された. さらに, 家父長制意識に対する高学歴の影響が, 各国において異なること示され, 家父長制意識の近代化における変化の多様性が明らかになった. また, 「圧縮された近代」における圧縮の度合いが人々の家父長制意識に影響を与えることも明らかになった.
  • ──日本の消費生活協同組合が保育事業に踏み出せないのはなぜか──
    近本 聡子
    生活協同組合研究
    2020年 529 巻 26-34
    発行日: 2020/02/05
    公開日: 2023/04/05
    ジャーナル フリー
  • *岩佐 一
    日本心理学会大会発表論文集
    2021年 85 巻 PS-011
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/03/30
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,父親の育児参加の向上に資する知見として,父親の育児参加と家族や友人からのソーシャルサポートの関連の,

    性別役割分業
    観による調整効果について検討した。0~6歳児を養育する父親(25~50歳)にWEB調査を実施し360人のデータを取得した。目的変数として,育児参加の実施状況の測定尺度を用いた(「児の世話」等6項目,各4件法)。説明変数として,家族・友人からのソーシャルサポート(①評価,②情緒,③手段),
    性別役割分業
    観(「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」)を,配偶者の就労(フルタイム,パート,専業主婦),年齢,児の人数,経済状態自己評価,長時間労働(1日平均12時間超),夫婦関係満足度を統制変数として用いた。3種類のソーシャルサポートは個別にモデルに投入した。重回帰分析の結果,家族・友人からのソーシャルサポート(①評価,②情緒,③手段)と
    性別役割分業
    観の交互作用がそれぞれ有意となった。単純傾斜解析を行ったところ,伝統的な
    性別役割分業
    観を持つ父親において,ソーシャルサポートが高いと育児参加が高いことが見出された。平等的な性別役割観を持つ父親ではこの関連は認められなかった。

  • (青弓社、2022年、四六判、248頁、1,600円+税)
    髙橋 香苗
    家族研究年報
    2023年 48 巻 111-114
    発行日: 2023/07/15
    公開日: 2023/10/13
    ジャーナル フリー
  • ―性別役割意識の変化を例に―
    数土 直紀
    理論と方法
    2016年 31 巻 1 号 2-19
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/08/06
    ジャーナル フリー
     本稿は,新しい分析概念として複合化された社会メカニズムを提示することを目的としている.この概念は,有名なコールマンボート(Coleman 1990=2004)から想を得ている.従来のコールマンボートでは一連の因果関係だけが想定されているが,新しい概念では複数の因果関係が併存することを想定している.このように想定することで,私たちは複雑な社会現象をより深く理解することが可能になる.本稿では,新しい分析概念の有効性を示す一つの事例として,回帰モデルの有限混合を前提にした性別役割意識の分析をおこなった.最近の世論調査によると,日本人の性別役割意識の趨勢が不安定化している.このような変化を説明するためには,高学歴化・女性の労働力参加と性別役割意識を結ぶ2つの因果関係を想定することが必要になる.一つは性別役割意識に囚われなくなる人びとを生むが,もう一つは,ワークライフバランスを無視した働き方を強いることで,性別役割意識を肯定するような人びとを生む.その結果,性別役割意識の趨勢が不安定化するのだ.SSP-I 2010 (N=1,739) による分析結果は,本稿の仮説を支持するものになっている.このことは,複雑な社会現象の解明には,複合化された社会メカニズムの存在を仮定することが有効であることを明らかにしている.
  • —夫の社会経済的地位による交互作用—
    島 直子
    家族社会学研究
    2011年 23 巻 1 号 53-64
    発行日: 2011/04/30
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル フリー
    これまでの計量研究によって,妻が有職である夫は妻が無職である夫に比較して
    性別役割分業
    に否定的であることが明らかにされてきた.しかし夫婦のパワー関係やジェンダー意識の深層について分析した質的研究では,妻の就労が夫の
    性別役割分業
    意識に及ぼす影響は夫の社会経済的地位により異なることが見出されている.それらによると,社会経済的地位が低い夫にとって妻の就労は稼ぎ手としての地位とパワーを奪う「脅威」であり,ゆえに彼らは,妻の就労によってむしろ
    性別役割分業
    規範に固執するようになることが推測される.そこで本論文では第2回/第3回全国家族調査データを用いて,妻の就労が夫の
    性別役割分業
    意識に及ぼす影響において,夫の社会経済的地位による違いがみられるか検討した.分析の結果,妻の家計貢献度が50%以上のグループでは,社会経済的地位が低い夫は,社会経済的地位が高い夫ほど
    性別役割分業
    を否定しないことが示された.
  • 岩佐 一, 石井 佳世子, 吉田 祐子
    日本公衆衛生雑誌
    2023年 70 巻 2 号 112-123
    発行日: 2023/02/15
    公開日: 2023/03/02
    [早期公開] 公開日: 2022/10/28
    ジャーナル フリー

    目的 「健やか親子21(第2次)」では,父親の育児参加の促進が目標のひとつにあげられており,積極的な促進が望ましい。父親の育児参加の関連要因を明らかにすることによって,父親の育児参加を促進するための施策に資する知見を提出できることが考えられる。本研究では,子育て期の父親を対象として調査を実施し,

    性別役割分業
    観ならびに母親からのソーシャルサポートと父親の育児参加の関連について検討することを目的とした。

    方法 インターネット調査会社に委託し,3か月~6歳の子どもを養育する父親360人(25~50歳,全て常勤職員)を対象としてインターネット調査を実施した。目的変数として,「父親の育児・家事参加尺度」(11項目,4件法,例「子どもの世話」,「料理」)における「育児」得点,「家事」得点を,説明変数として,

    性別役割分業
    観(「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」,4件法)ならびに母親(父親の配偶者・パートナー)からのソーシャルサポート(評価的サポート,情緒的サポート,手段的サポート)を,統制変数として,父親の年齢,母親の就労状況,子どもの人数,末子の年齢,保育園・幼稚園の利用,育児支援サービスの利用,低い経済状態自己評価,平日の労働時間,夫婦関係満足度を測定した。従属変数として「育児」得点,「家事」得点を,独立変数として
    性別役割分業
    観とソーシャルサポート,
    性別役割分業
    観とソーシャルサポートの交互作用項,上述した統制変数を一斉投入した重回帰分析を行った。

    結果 分析対象者は360人であった(平均年齢36.8歳,標準偏差5.6)。重回帰分析の結果を以下に記す。

    性別役割分業
    観は,「育児」得点(β=−0.103),「家事」得点(β=−0.125)と有意に関連した。評価的サポートは,「育児」得点(β=0.142),「家事」得点(β=0.199)と有意に関連した。
    性別役割分業
    観・手段的サポートの交互作用と「育児」得点との関連が有意であったため(β=0.176),単純傾斜解析を行ったところ,
    性別役割分業
    観が高い者では,手段的サポートと「育児」得点との関連が有意であった(β=0.242)。

    結論 平等的な

    性別役割分業
    観を持つ父親,評価的サポートを受ける父親は育児参加する傾向にある可能性が示唆される。また,伝統的な
    性別役割分業
    観を持つ父親において,手段的サポートを受ける者ほど育児参加する傾向にある可能性が示唆される。

  • 家庭における父の存在感の希薄化要因
    田中 華子
    日本文化人類学会研究大会発表要旨集
    2009年 2009 巻 D-1
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/05/28
    会議録・要旨集 フリー
    発表者が2006年に行った発表で近年のモンゴル社会では「男性が頼りなくなった」といわれる減少があること、これについて「伝統的ジェンダー観ないし
    性別役割分業
    の衰退が原因であるという主張があること、その背景として考えられる3つのことを述べた。本発表ではその一つである「伝統的
    性別役割分業
    の変化と父の存在感や父への敬意の希薄化」について考察する。
  • *赤澤 淳子
    日本心理学会大会発表論文集
    2021年 85 巻 PS-001
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/03/30
    会議録・要旨集 フリー

    近年,

    性別役割分業
    に対する意識は平等的に変化しているが,実態においては家庭内で家事分担にはジェンダーによる不均衡がある。これまで,家庭の家事分担は父母間で比較されることが多く,青年期の若者の家事分担等に及ぼす影響についてはあまり検討されていない。そこで,本研究では,父親の家事分担が青年の家事分担,
    性別役割分業
    意識,および父親への親密性に及ぼす影響について検討することを目的とした。調査対象者は4年制大学の4年制大学に通う大学生83名(男性:31名,女性:52名)(平均年齢:19.88歳,SD=0.79)であった。パス解析の結果,男女ともに父親の家事分担が高まる,大学生の家事分担は高まり,大学生の父親に対する絶対的安心感も高まる傾向が示された。また,女子大学生においては,父親の家事分担が高いほど,性別役割態度が平等主義的であった。以上の結果から,父親の家事参加は,父子間の関係性を良好にするだけでなく,
    性別役割分業
    の再生産を抑制する効果があることが示唆された。

  • 渡辺 めぐみ
    日本労働社会学会年報
    2006年 16 巻 129-154
    発行日: 2006年
    公開日: 2020/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
    The purpose of this paper is to analyze the labor related to the sale of agricultural products in family farms from the viewpoint of gender. In recent years, adjectives like “vivid” and “powerful” have been used to describe farmhouse women. Praising farmhouse women in such a way also has the strategic aspect of helping wipe away negative images of agricultural life. However, is there not a gap between the image of “vivid farmhouse women” and the actual condition of farmhouse women? Moreover, has not such an image served the function of concealing the structure of the gender problem in family farms? In this paper, semi-structured interviews with farm women were conducted, and five of these narratives of their sales-related work were analyzed from the viewpoint of gender. As a result, the following points became clear. First, sales-related work has conventionally been viewed as less important than the work of farmhouse men. Since women have not participated in management decision-making, they are deficient in “fulfillment.” Therefore, women tend to enter into sales tasks in search of “fulfillment”. However, since farmhouse men do not think of sales-related work as important, the women have only acquired mental satisfaction. Second, there are women with excellent sales ability who in fact did not wish to engage in sales-related work. Their entry into sales activities was motivated by the needs of management. Therefore, it is easy to praise that “they are working vividly and powerfully” about women that demonstrate their abilities through sales related work. However, we must not overlook the fact that gender problems in farm management exist as the background to the fact that the women demonstrate their abilities in the sales domain.
  • ―性別役割分業との関係を中心として―
    *池谷 江理子
    人文地理学会大会 研究発表要旨
    2015年 2015 巻 304
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/06/13
    会議録・要旨集 オープンアクセス
  • *鄭 暁静, 多々納 道子
    日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
    2011年 54 巻 A4-7
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/11
    会議録・要旨集 フリー
    1.目的
    従来の韓国の家庭科と技術科は、性別によって女子は家庭科、男子は技術科を別々に履修していた。しかし、男女平等社会への変化に応じて、第五次教育課程(1987年)では、男女が共に学ぶ、「技術・家庭」が新設され、選択科目として履修し、次の第六次教育課程(1992年)では、男女全ての学生が「家庭」と「技術・産業」を履修することになった。さらに、第七次教育課程(1998年)では、「技術・家庭」として統合され、男女が必修に履修する国民基本共通科目として位置づけられている。
    しかし、男女必修へと変化して来たのにもかかわらず、男女平等な意識をもつ教育成果は表れていない。特に、現在少子化が非常に進んでいる韓国では、その原因の一つとして、伝統的な
    性別役割分業
    意識からの脱皮が要求され、そのためには教育が大きくかかわってくる。
    少子・高齢化時代にふさわしい男女共通教育を実現するため、その基礎資料として、第七次教育課程で家庭科を習った大学生を対象に、
    性別役割分業
    意識の形成や、それに関わる家族生活意識を調査した。
    2.方法
    (1)調査方法
    質問紙法によるアンケート調査を行った。
    (2)調査対象 
    韓国慶尚大学校、釜山大学校、全南大学校の学部の1年生から4年生であり、有効回収数の男子126人、女子159人、計285人を分析の対象にした。 
    (3)調査期間
    2010年8月
    (4)調査内容
    性別役割分意識、結婚観、子育て観や家庭科を学習した後の考え方などを調査した。
    3.結果
    (1)
    性別役割分業
    意識を示すため、「男は外で働き、女は家庭を守るべきだ」、「家庭にとって重要なことの最終決定は夫が行うほうがよい」、「職業には性別による、向きや不向きがある」、「男と女は違った育て方をすべきだ」、「男と女は本質的に違う」の5つの項目を調査した。各項目について「そう思わない」(1点)から「そう思う」(4点)とする、4段階尺度によって得点化した。その結果、男子の方が女子よりも全ての項目で得点が高く、男女の
    性別役割分業
    意識は1%水準で有意差があった。
    (2)本研究では、青年期学生の最も身近な環境である家族・親族、学校、友人・知人の3つの要因から
    性別役割分業
    意識の形成に影響を与えると仮定し、調査を行った。各要因による
    性別役割分業
    意識の程度を示すため、「男(女)らしくしなさい、男(女)のくせに」と言われたグループ、言われなかったグループに分け、男女別にt検定を行った。その結果、男子は、「家族・親族」、「学校」、「友人・知人」から言われたグループと言われなかったグループによって
    性別役割分業
    意識の項目に5%水準で有意差があった。一方、女子は「学校」から言われたグループと言われなかったグループにだけ5%水準で有意差があった。
    (3)
    性別役割分業
    意識は近い将来、結婚後の家族生活にも少なくとも影響を与えると考えられる。そこで、将来結婚後の夫婦の家事分担や育児分担の考え方に差があるかないかをχ2検定で調査を行った。その結果、家事分担と育児分担とも男子より女子の方が「夫婦が同じように分担する」が最も多い半面、男子の方は「妻が主に行うが、夫も行う」が多く、1%水準で男女に差があった。
    (4)性別役割意識の形成や家族生活と最もかかわりのある、家庭科を学習した後の考え方について調査をした。その結果、「子育ての意味と親の役割の理解が深まった」に5%水準で、「家庭の様々な仕事について理解が深まった」、「将来の生き方や進路に積極的に考えるようになった」に1%水準で男女の差があり、女子の方の平均値が高かった。さらに、男子の場合、家庭科を学習した後の考え方の得点の上位グループと下位グループにより、
    性別役割分業
    意識の差が5%水準であった。
     第七次教育課程の家庭科は男女両性平等な教育の実現を目的にしているにも関わらず、その教育を受けた大学生男女の性別役割意識の差は顕著である。
    性別役割分業
    意識を改革するよう、教育を見直し、より実践的な家庭科教育を工夫する必要がある。
  • 藤野 敦子
    人口学研究
    2002年 31 巻 19-35
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2017/09/12
    ジャーナル フリー
    わが国の少子化の主たる要因として,女性の仕事と育児の両立の困難さが挙げられるが,その背景にわが国の社会システムが依然,
    性別役割分業
    を基盤として成り立っていることが指摘できる。また,このようにジェンダー構造が固定されている中で女性達の価値観が大きく変化してきたために出産回避の傾向を生じていると考えられる。そこで,本稿の問題意識は二つある。まず,第一に家計内において夫が家事に協力的である場合や家事育児が可能な働き方をしている場合に,出生行動や妻の就業行動にプラスの効果があるのか,あるいは妻の育児と仕事の両立を可能にするのかということである。次に女性の価値観の変化,すなれち,伝統的な家族観の弱体化,個人主義的な傾向,性別平等意識の浸透が家計の出生行動と既婚女性の就業行動にどのような影響を与えているのかということである。本稿では,民間調査機関が実施した「夫婦の生活意識に関する調査(1994)」による個票データを用いて,(1)出生数関数,(2)妻の就業選択関数,(3)出産育児選択と妻の就業選択の同時推定といった3つの推計モデルにより実証分析を行った。本稿の分析から得られた最も重要な知見は,まず,既婚女性が出産育児と正規就業のトレードオフの中に置かれていること,しかし,夫の帰宅時間が早い場合にはその両立を支援する可能性があるということである。また,性別平等意識を持った女性は正規就業を選択すると同時に出産育児を回避する傾向が見られることである。本稿の分析は,今後,少子化対策が社会全体の
    性別役割分業
    の見直しを基本に据え,進められなければならないことを示唆している。
  • 貴志 倫子, 平田 道憲
    日本家政学会誌
    1999年 50 巻 9 号 915-924
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究は,
    性別役割分業
    観, 家事サービスに関する態度, 家事労働の義務・やりがい感の態度と夫妻の家事労働時間との関連を明らかにすることを目的とし, 核家族世帯の妻28名, 夫63名の生活時間調査ならびに質問紙調査を分析, 考察した.
    主要な結果は以下のとおりである. (1) 妻は有職の場合も家事労働のほとんどの責任を負っており, 非就業日には有職妻とその夫との生活時間の差が顕著になる. (2) 妻が「主に仕事」のカップルはもっとも
    性別役割分業
    観に否定的で, 家事サービス利用には比較的積極的な態度である. (3)
    性別役割分業
    観に否定的で, 家事労働に義務ややりがいを感じている夫は家事労働に比較的多く関わっている. (4) 妻と夫では, 家事労働時間に影響をおよぼす態度が異なる.時間量と態度の関連から, 夫妻の家事労働時間のバランスをとるためには
    性別役割分業
    観だけでなく, 家事労働そのものに対する態度や生活に対する態度の変革についての検討が必要であることが示唆された.
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