音そのものがあるイメージを喚起する現象を音象徴と呼ぶ.音象徴に関する研究は数多く報告されているが,未だ解明されていない部分も多い.我々の研究の最終目的は,音象徴の全体像を明らかにすることである.そのために,様々な事例を収集し,それら独自の音象徴の発見を試みる.その結果得られた多くの音象徴事例を統合することで,音象徴の全体像を明らかにしたいと考えている.本研究では,音象徴を持つと思われる一事例として,モンスターハンターシリーズに登場するモンスターの名前を採用した.モンスター名とモンスターの全長の間に音象徴が存在するのではないかと考えたためである.実験では,モンスター名に対し“大きい”・“小さい”の2クラス分類を行った.分類器はCNNベースで構成し,特徴解析にはXAI技術の一つであるGrad-CAMを用いた.我々は,実験結果から,子音/r/が大きい印象を与えるという仮説を立てた.また,この仮説を主観評価実験と統計的検定によって検証したところ,仮説を支持する結果が得られた.
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