慢性疲労症候群
は免疫異常・ウイルス感染の異常によるとされ,症状により外出困難等の生活制限がみられ,治療にも難治性を示すことが多い.今回われわれは,
慢性疲労症候群
の入院例を経験したので、その経過について報告する.症例:30歳,女性.経過:15歳時,感冒症状の後,慢性的な疲労感が出現,2度の入院を経験,
慢性疲労症候群
疑診例と診断されている.社会生活は高校中退,その後は引きこもりがちな生活をしていた.28歳時,精査目的で当科入院を行ったところ,症状の一過性の改善が認められ1ヵ月で退院となった.まとめ:操作的診断で
慢性疲労症候群
と診断できた.治療は「疲労のため何もできない」という認知面への働きかけを行ったところ,認知の変化が生じ集団への参加ができるようになり,そのことが疲労感の改善につながったと考えられた.
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