本稿は,中学校3年間で115時間となった美術必修授業の限界を感じた筆者が,必修授業を補完し,「美術をより身近なものにしたい」という願いのもと行った学校アート・プロジェクトの10年の歴史を振り返る。本稿では,第1期の「借り物アート期」(2001年〜2004年)について成果と課題を検証する。第1回のとがびアート・プロジェクトの参加生徒の半数が「つまらなかった」と感想に記入している。その原因の探求から,その後,どのように「生徒が主体的に取り組む」プロジェクトにしていったかのプロセスを分析する。
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