外因性prostaglandin E1(以下PGE1)の減黄時の胆汁排泄に対する影響を, ラットの閉塞性黄疸解除モデルを用いて実験的に検討した.また臨床例についても, 閉塞性黄疸に対する減黄術後にPGE
1投与を試みた. 実験群は2週閉塞性黄疸後解除群, 1週閉塞性黄疸後解除群, 対照群を設定した.実験群のうち, 長期閉塞である2週閉塞性黄疸後解除ラットに対してPGE
1 5μg/kg/minを経静脈投与した結果, 胆汁酸非依存性胆汁分泌の有意の増加を認めた. 加えて, indocyanine grcen(以下ICG)によるICG移行率の分析から, ICGの胆汁排泄改善効果が認められた. 臨床例では, PGE
1 0.01μg/kg/minを経静脈投与した結果, 減黄不良と半蜥した症例でも胆汁流量の増加が認められた.
PGE
1は, 減黄時の胆汁排泄に対して胆汁酸非依存性胆汁分泌の増加作用を有し, 利胆剤としての有用性が示唆された.
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