教育実習
における学生の学びに関する研究について,1970年代以降にいくつもの研究がなされており,中川ほか(2021)は,それを
教育実習生が教育実習
を通じて得た成果という視点で類型化している.その中でも,
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は大学と違った環境で実施されるため,その成果を測るための評価方法を学生の自己評価とした研究(長谷川ほか,2012),学生の
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記録の分析から,
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において必要な資質・能力として授業技術力,授業構成力,向上心を示した研究(永田,2013)などがある.一方で,中川ほか(2021)は,これらの研究が
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前後や,
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の過程における成果として検証したものが少ないこと,「
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生育成指標」「ポートフォリオ」等の何らかの根拠に基にした成果の検証が必要であることを指摘している.以上の先行研究から,学生は,
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において資質・能力という観点からも多くの学びを得ていることが考えられる.ただ,その学びを明らかにするにためには,
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前後のタイミングで何らかの根拠を基にして,学生の自己評価による検証が必要となってくる.
そこで,本研究ではO県A大学体育学部の学生が中学校や高等学校での
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(母校実習)において,どのような学びを実感しているのか明らかにすることを目的とする.具体的には,まず,鍋島(2016)で示された中等教育・保健体育教員の資質・能力一覧を援用し,学生の自己評価項目を作成した.この自己評価項目は,教育者に求められる資質や能力と,教育の実際が同僚,保護者,地域の人々との連携により展開されていることへの理解を基に17項目で設定した.これらの自己評価項目に対して,学生が5段階での評価を行い,その結果について
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前後での比較を行った.詳細については当日報告する.
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