すごろくは伝統的なゲームである. すごろくに確定的なイベントや利得を追加したゲーム, 行動選択や確率的な利得を追加したゲームなど, さまざまなタイプのすごろくの拡張ゲームがある. すごろくやその拡張ゲームはさまざまな教育分野で利用されている. 教育目的に基づいて効果的なゲームを作成するには, 振り出しからゴールまでにサイコロを振る回数の期待値や, 行動選択を伴う拡張ゲームにおける期待総利得の最大値などに関する
数理工学
に基づく検討が必要である. しかし,
数理工学
に基づく検討, 特に期待総利得に関する検討はほとんど行われていない. そこで, 本研究では, 拡張ゲームにおける期待総利得の計算方法を検討し, 提案方法の有効性を計算例で示す. 従来研究ではゲームのプレイ後でないと利得設定の妥当性は確認できない. しかし, 提案方法では事前に確認できる. 本研究は基礎研究であり,今後の拡張研究が必要である.
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