けいれん重積にて発症した細菌性髄膜炎の経過中, 大脳皮質に一過性の拡散能低下を示した1例を経験した. 細菌性髄膜炎で同様の所見を示した症例は過去に報告がない.
今回の症例では, 何らかの素因を持った個体において, 一過性の拡散能低下を伴った可能性がある. MRI画像所見としては, 二相性けいれんと遅発性拡散能低下を呈する急性脳症 (AESD) 等と類似していた.
発症後細菌性髄膜炎の経過としては, 非典型的なけいれん発作も認めており, 今後このような大脳皮質の一過性拡散能低下を示す病態に関して, 示唆に富む症例と考えられた.
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