エリスロポエチン (EPO) 投与による貧血の改善が, 投与前後の網赤血球 (RET) 率と赤血球 (RBC) 数の変動より予測可能かどうか検討した.
対象は, 血液透析 (HD) 歴が2年以上の安定期HD患者10人と, 導入期HD患者8人とした.
まず, EPO投与前後のRBC数, RET率を経時的に測定した著者の成績とこれまでの諸報告に基づきシュミレーションカーブを作成し, EPO投与4週以降14週までの期間のRBCの増加を予測する式を作成した.
この予測式に安定期HD患者6例のEPO投与後4週および8週目のRET数とRBC数を当てはめ, 8週および12週先のRBC数を予測したところ, 実測RBC数と近似した結果が得られ, 予測は可能と思われた, さらに, この予測式により導入期HD患者のEPO投与後のRBC数を算出し, 実測値と比較したが, 実測値がやや高値を示した. また, EPO投与後5週間の平均RBC増加数は, 導入期HD患者で82万個, 安定期HD患者では46万個であり, 導入期のRBC増加は, 安定期の約1.8倍であった.
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