日高山脈の各河川流域では,古くから砂金の採取が行なわれてきたが,その源は長い間明らかでなかった。たまたま,日高帯西縁の輝緑岩中に,肉眼金を多量に含む石英脈が発見され,しかもこの脈に,多量の
斧石
が伴なわれていることが明らかになった。この地域には,多数の
斧石
-石英脈が発達しているが,現在のところ,金を含むものは2本しかみつかっていない。
本邦でこれまで発見された
斧石
は,スカルン化作用に関係して形成されたものが多く,こゝで取扱ったような産状のものは少ない。
筆者らは,
斧石
の諸性質を明らかにするとともに,金鉱床の生成条件をも併せて考察した。
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