兵庫県南部地震により神戸高速鉄道・大開駅は, 中柱の圧壊により上床版が沈下し, 直上の国道28号線に陥没が生じるという被害を受けた. 本報告は, 地中構造物の耐震性を評価する上で重要な資料とするため, 大開駅の被害状況を明確に示すこととそれを踏まえて被害要因を分析することを目的としている. 被害要因推定は, 動的解析に静的弾塑性解析を加えた2段階解析により行った. 被害状況として, 妻壁に見られるひび割れから駅横断方向に強い地震動が作用したこと, 上床版の破壊を免れた
新開地駅
側の中柱の損傷はせん断破壊であること等が推測される. 構造物部材の実強度, 埋め戻し材の材料特性等に基づいた解析より, 側壁等が曲げ降伏に至る時点で中柱が曲げせん断破壊するという損傷過程が得られ, 状況と良く対応している.
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