1. 林齢τをパラメーターとする直径分布〓(τ,
y) に関する林分遷移の基礎
方程式
〓を得た。この解は正規分布に生存率
e-〓が掛った形をしているが,分散直径の生長開始時点が,
u,および
vと分離可能になっているために前報IVで得られた解(42)よりも一般的である4)。
2. 尾鷲帯の12個所の標準地についての生長記録を基にして,正規確率紙,二項確率紙を用いて,一斉同齢林分の直径分布型,および直径遷移確率などの吟味を行い,われわれの理論の根拠を確かめた。
3. 歪度がプラスとなる直径分布をもつ一斉同齢林分の生長モデルとして,吸収壁をもつ境界条件をつけたときの遷移
方程式
の解
〓 ここで〓を得た。
4. 上にあげた2つの解はマイナスの
yに対しては,実際上有意な確率はもたないことを説明した。
5. ここに得られた2つの解をそれぞれ現実の林分の生長過程に当てはめた結果,分散の増大開始時点
u予想より少し大きくなった点を除けば,現段階では大体満足すべき適合を見た
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