本研究は、国内のフルサービス・ホテルの出迎え場面において、お辞儀がいかに指導・実践されているかを明らかにすることを目的とした研究である。特に、挨拶の声掛けとお辞儀を同時に行うのか (「同時礼」) 、分けて行うのか (「分離礼」) 、タイミングに着目して従業者へインタビューを実施した。その結果、「声掛けは視線合わせ・笑顔の表出と共に実施する行為」「利用者のタイミングに配慮した声掛けにはアイコンタクトが必要」などの理由で、「分離礼」が指導・実践されていることが明らかになった。"感じがよいから" "丁寧に見えるから"など、受け手の印象を重視したこれまでのお辞儀指導に、従業者の行為に基づく理由を付与することができた。
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