傾斜地階段畑水田からの転換茶園での水の動態が茶樹の生育にどのような影響を与えるかを知るため,洪積層の安山岩を母材とするLiCの土壌の茶園に明,暗きょ(深さ30cm)処理を行い,その効果について1973~'75年の3年間にわたって検討した。
その結果を要約すると次のとおりである。
1)
明
,暗きょを設置することにより,茶樹の生育は年々よくなった。
2) 生育不良部の水分張力はpF0になる日が多く,下層ほど著しかった。
3) 多量降雨の場合,
明
,暗きょ処理前は地表10cmの部分まで停滞水があった。処理後は暗きょ部は45cmまで下ったが明きょ・無処理区は10cmまで認められた場合があった。また明きょ部は2年目では水位の回復が緩慢で効果が低下した。
4)
明
・暗きょ部は,処理後全層消費型に近い表層消費型となった。
5)暗きょからの最大排水量は9l/minであったが,排水量と降水量との間には一定の傾向はなかった。
最後に,この試験の設計・成績の検討に当っては農林水産省茶業試験場を始め,農業土木試験場佐賀支場,福岡県立農業試験場の適切な助言と指導をいただいたことに対し,ここに謝意を表したい。
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