近年, 計算機の爆発的な発展を背景として, 人工知能技術が大きく成長している. その中で小説や漫画, 絵本のような物語を自動生成する試みや, 人が物語を創作する際の創作支援を計算機にさせる試みが大きな注目を集めている. 自動生成や創作支援に関する研究は, 小説や漫画, 絵本などで数多くなされており, 有効な手法やシステムも報告されている. 一方, 創作物の理解に必要な物語の解析に関する研究は, 専門家の経験則に基づいて人手で情報を抽出するものが主流であり, 工学的な情報抽出や解析に関する研究はほとんど報告されていない. 以上を背景として, 本論文では文の意味を考慮した小説の自動セグメンテーション手法およびストーリーの解析手法を提案する. また, 実際の小説を用いた実験により, 提案手法を用いることで小説から意味のあるセグメントを自動抽出できることや作品間でのストーリー展開の類似性を計算できることを示した.
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