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クエリ検索: "最長筋"
1,485件中 1-20の結果を表示しています
  • 山口 高弘, 小堤 恭平, 大和田 修一, 米谷 定光, 鈴木 惇, 松本 恒, 坂本 澄彦, 八巻 邦次, 吉武 充, 佐藤 晃三, 星野 忠彦
    日本畜産学会報
    1992年 63 巻 9 号 942-946
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    MR画像(Magnetic Resonance Imaging)において,牛枝肉の筋肉内脂肪(脂肪交雑)の程度を非破壊的に推定することを試みた.格付けの異なる枝肉のリブロース(第6胸椎-第7胸椎間)で,MR画像は胸
    最長筋
    の断面積(ロース芯),脂肪交雑を正確に描出した.これらの像は実際の同部位のカット写真像と良く一致した.脂肪交雑はA-2の胸
    最長筋
    ではA-5の胸
    最長筋
    より少なく,粗く分布し,両者間でその相違が明りょうに区別できた.画像上で脂肪交雑の量的評価ができるTASplus画像解析装置で測定されたMR画像での脂肪交雑量は実際の同部位の写真像から得られた結果および化学分析による筋肉内脂肪含量測定結果とほぼ同様であった.このことは,格付けの異なる枝肉胸
    最長筋
    の脂肪交雑量がMR画像により推定できることを示す.MR画像において,牛枝肉のリブロースでの脂肪交雑の分布および量的変化が非破壊的にかつ客観的に把握できることが判明した.
  • 宮川 浩輝, 池田 敏雄, 安藤 四郎, 斎藤 不二男
    日本養豚研究会誌
    1970年 7 巻 1 号 9-13
    発行日: 1970/04/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚肉の品質評価上における試験用肉として背
    最長筋
    を用いる場合の資料を得るため, その部位別の形状と肉質の均一性について加検討した。その結果は次のとおりである。
    (1) 背
    最長筋
    の横断面積 (太さ) は, 第6胸椎部から第12胸椎部まで急激に大きくなるが, その後は第5腰椎部までほぼ同じであった。
    (2) 背
    最長筋
    のpH値は部位間に有意差がなかった。
    (3) 背
    最長筋
    の保水力は, 遠心分離法および加圧法において, いづれの場合にも部位間に有意差はなかった。
    (4) 背
    最長筋
    の色調は, L値においてはH区 (第5, 第6腰椎部) と他の部位との間に有意差があり, a値においてはA区 (第6, 第7胸椎部) が他の部位に比べて高い傾向があった。
    (5) 背
    最長筋
    の化学的一般組成は, 水分含量および粗脂肪含量においてはH区 (第5, 第6腰椎部) と他の部位との間に有意差が認められた。しかし, 粗蛋白質含量および粗灰分含量においては部位間に有意差がなかった。
    (6) 以上の成績から第6胸椎部から第6腰椎部までの背
    最長筋
    において, 肉質の均一性が高いのは第8胸椎部から第4腰椎部までであり, さらに, 実験用肉として一定の形状を必要とする場合には第12胸椎部から第4腰椎部までの背
    最長筋
    が適当と考えられる。
  • 川田 智弘, 福井 えみ子, 吉澤 緑
    日本畜産学会報
    2008年 79 巻 2 号 173-183
    発行日: 2008/05/25
    公開日: 2008/11/25
    ジャーナル フリー
    肥育牛の脂肪交雑を生体で客観的に推定するために,脂肪交雑基準(BMSナンバー)ごとの超音波診断画像の特性を画像特徴量として評価し,枝肉のBMSナンバーとの比較を行った.出荷直前の黒毛和種肥育牛56頭を,測定位置を胸
    最長筋
    と周辺組織との位置関係により決定して超音波測定したところ,枝肉実測値との間に胸
    最長筋
    面積で0.98(P < 0.01)の相関係数が得られた.この超音波診断画像の特定領域をテクスチャー解析して画像特徴量を算出し,BMSナンバーとの関係を比較したところ,胸
    最長筋
    領域の画像特性と肉質との間に非線形的相関が見られ,同一画像上における胸
    最長筋
    と周辺領域との画像特徴量は異なる傾向が見られた.このことから,胸
    最長筋と僧帽筋との画像特徴量の差分および胸最長筋
    面積を説明変数,BMSナンバーを目的変数として重回帰分析を行ったところ,重相関係数0.75(P < 0.01)が得られ,超音波診断における肉質の客観的推定が可能であることが証明された.
  • 口田 圭吾, 高橋 健一郎, 長谷川 未央, 酒井 稔史, 森田 善尚, 堀 武司
    日本畜産学会報
    2004年 75 巻 4 号 573-579
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/07/26
    ジャーナル フリー
    16名の判定者が同一の枝肉についてBMSナンバーを評価し,BMS判定値に個人差が大きかった枝肉横断面の肉眼的特徴を画像解析により把握すること,ならびに画像解析形質を利用してBMSナンバーを推定することを目的とした.材料は,牛枝肉撮影装置で撮影された黒毛和種去勢肥育牛100頭の第6-7肋骨間の鮮明な枝肉横断面画像である.16名により評価されたBMSナンバーについて,それぞれの枝肉における16名のBMSナンバーの平均値(平均BMS),最頻値,中央値,16名からのBMSナンバーを昇順に並べ上下3名の評価値を除いた平均値,上下2名の評価値を除いた平均値および上下1名の評価値を除いた平均値の6変数を算出し,それぞれの変数間の相関係数を求めた.また,画像解析により脂肪面積比,全体の粒子のあらさ,最大粒子のあらさ,単独粒子のあらさ,ロース芯の短径・長径比およびロース芯形状の複雑さを算出し,BMS判定値に個人差が生じる要因を検討した.BMSナンバーの判定値に関わるすべての変数間には,非常に高い相関係数が認められた(0.938~1.000)ため,判定値を代表する変数として平均BMSを用いることとした.BMS判定値に個人差が生じる要因を解析したところ,BMS評価のばらつきに対して,最大粒子のあらさならびにロース芯の短径・長径比が有意(P<0.05)に影響していた.平均BMSを従属変数,画像解析形質を独立変数候補とした重回帰分析を行ったところ,選択された変数はロース芯面積,脂肪面積比,全体の粒子のあらさおよび最大粒子のあらさの4変数であり,重回帰式の決定係数は0.895であった.以上のことから,ロース芯内の脂肪交雑粒子があらい,ロース芯の形状が扁平であるなどの枝肉については,BMSナンバーの判定値にばらつきが生じやすいことが確認され,それらの影響を取り除くことで,高い精度でBMSナンバーを推定可能となった.
  • 小俣 秀雄, 河野 浩二, 須貝 英光, 藤井 秀樹
    日本臨床外科学会雑誌
    2004年 65 巻 6 号 1553-1557
    発行日: 2004/06/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は58歳,男性.平成12年1月,胃癌の診断で,胃全摘,胆嚢・脾臓合併切除, D2リンパ節郭清を施行した.組織学的所見は, por 2, pType 4, pT 2 (SS), pN 0, ly 0, v 0, int, INFγ, pPM(-), pDM(-) Stage I bであった.術前化学療法が施行され,その効果判定は, Grade 2であった.平成14年2月,両側鼠径部に腫瘤が出現し再発と診断されたが,化学療法が奏効し,右尿管拡張,両側鼠径部腫瘤ともに消失した.平成14年11月,右下肢が腫脹し, CT検査にて,腰背部の
    最長筋
    の腫大を認め,穿刺針生検施行したところ,胃癌の
    最長筋
    への転移であった. S-1による化学療法にて腫瘤は消失し, 6カ月目の現在も再発はない.今回,われわれは,
    最長筋
    への転移という稀な症例を経験したので報告する.
  • 浜崎 陽子, 口田 圭吾, 日高 智, 島田 謙一郎, 関川 三男, 丸山 新
    日本畜産学会報
    2005年 76 巻 4 号 431-437
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/16
    ジャーナル フリー
    BMSナンバーの格付は,第6-7肋骨間横断面における胸
    最長筋
    を中心に行われている.しかし脂肪交雑がこの他の横断面でも同様な様相を呈しているとは限らない.本研究では,ホルスタイン種を対象として,画像解析により,BMSナンバー判定式を求めることを第1の目的とし,さらに,第2の目的として,第6-7肋骨間横断面と,この他の横断面における脂肪面積比および推定BMSナンバーについて比較を行った.分析には,BMSナンバー判定式の算出用にホルスタイン種61頭の第6-7肋骨間の胸
    最長筋
    横断面画像,また,異なる横断面における脂肪交雑の程度の比較用に,別に用意したホルスタイン種18頭の胸
    最長筋
    4横断面画像(格付面を含み,腰椎方向に2.5cm間隔で切断)を用いた.画像解析の手法により,脂肪交雑粒子のあらさおよび胸
    最長筋
    の形状などのBMSナンバー評価に影響を与えると考えられる要因について評価を行った.得られた画像解析形質を用いてBMSナンバー判定式を求めた結果,BMSナンバーを推定する重回帰式には,脂肪面積比,最大粒子の面積,単独粒子のあらさ指数,胸
    最長筋
    面積が選択され(R2=0.71),BMSナンバーに最も寄与した形質は脂肪面積比であった(偏R2=0.54).同式を当てはめ,4横断面における脂肪面積比および推定BMSナンバーについて調査した結果,近接する横断面間であっても,脂肪面積比が大きく変動するサンプルが存在した(15.9%~26.2%)が,それらのサンプルにおける推定BMSナンバーには,ほとんど差が生じなかった(1.67~2.17).
  • *吉村 和代, 矢倉 千昭, 岡 真一郎
    九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
    2010年 2010 巻 303
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/15
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    最長筋
    は脊柱起立筋のひとつであり,脊柱の直立位保持に作用する抗重力筋である.近年,筋硬度計を用いて筋の緊張度を測定した研究が散見されるようになっている.我々は,第44回日本理学療法学術大会において起立傾斜角度の増大に伴う
    最長筋
    の筋硬度の変化について調査し,起立傾斜角度の増大に伴って
    最長筋
    の筋硬度は除々に高い値を示し,起立傾斜角度60°で最も高くなることを報告した.しかし,筋電図による筋活動の評価は行っていなかったため,
    最長筋
    の筋活動の変化については検討していなかった.そこで,本研究では,起立傾斜台による起立傾斜角度の増大に伴う
    最長筋
    の筋硬度および筋電図の変化について調査した.
    【方法】
    対象者は一般成人18名(男性11名,女性7名)であり,平均年齢は男性21.5±1.2歳,女性21.6±1.5歳であった.なお,すべての対象者に対し,事前に書面にて研究の目的と内容を説明し,同意を得てから調査を行った.筋硬度は,生体組織硬度計PEK-1(井元製作所)を用い,L4棘突起レベルの両側腰部
    最長筋
    の硬度を測定した.筋電図は,誘発筋電図記録装置neuropack MEB-2200(日本光電)を使用し,筋硬度の測定部位から2横指上の両側腰部
    最長筋
    を測定した.測定手順は,対象者を起立傾斜台に腹臥位にさせ,傾斜角度0°,15°,30°,45°,60°,75°での筋硬度を呼気時に3回測定し,平均値を代表値とした.筋電図については,各傾斜角度で5秒間測定し,前後1秒間を除いた3秒間の筋電図波形を記録して積分筋電図(iEMG)を求め,腰部
    最長筋
    の最大収縮時におけるiEMGで除して%iEMGを算出した.統計解析については,男女間における基本特性の比較は対応のないt検定,各傾斜角度での両側腰部
    最長筋
    の筋硬度および%iEMGの変化の比較は,二元配置反復測定分散分析を行い,5%未満をもって有意とした.
    【結果】
    性別でみた起立傾斜角度による両側腰部筋硬度の変化では,男性は起立傾斜角度60°から両側腰部
    最長筋
    の筋硬度および%iEMGが有意に高い値を示した.しかし,女性では,%iEMGは男性と同様の変化がみられたが,筋硬度および%iEMGに有意な変化がみられなかった.
    【考察】
    本研究の結果,男性では,起立傾斜台を用いて腰部
    最長筋
    の筋硬度と筋活動の変化を評価できることが示された.一方,女性において筋硬度および%iEMGに有意な変化が得られなかった理由として,サンプル数の少なさもあるが,皮下脂肪厚,筋量やその厚さなどが影響している可能性がある.
  • 中西 直人, 河上 眞一, 山田 知哉, 青木 康浩
    日本畜産学会報
    2006年 77 巻 1 号 37-43
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/02
    ジャーナル フリー
    リブロース部位の胸
    最長筋
    の理化学的測定値と他の部分肉の代表的な筋肉の理化学的測定値の関係を明らかにするために,黒毛和種去勢牛の筋肉内脂肪含量,剪断力価,総色素含量について筋肉間の関係を調べた.その結果,リブロース部位の胸
    最長筋
    と他の筋肉の間でもっとも相関係数が高かったのは総色素含量で,脂肪含量,剪断力価の順であった.各筋肉の理化学的測定値を目的変数として,リブロース部位の胸
    最長筋
    の理化学的測定値,生体重,枝肉重量,日齢,枝肉中の筋肉,骨,脂肪重量,枝肉中の脂肪割合を説明変数として変数増減法により重回帰分析した.その結果,脂肪含量,剪断力価,総色素含量のいずれにおいても,重回帰分析でもっとも高い頻度で選択された説明変数は,リブロース部位の胸
    最長筋
    の理化学的測定値であり,枝肉格付けにおいてリブロース部位の胸
    最長筋
    により他の筋肉の性状を予測することは適切であると考えられた.
  • 小堤 恭平, 千国 幸一, 小石川 常吉, 加藤 貞雄, 伊藤 健, 小林 正和, 江畑 富夫, 玉田 裕志, 吉武 充
    日本畜産学会報
    1988年 59 巻 11 号 916-921
    発行日: 1988/11/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    肉用牛の生体時における胸
    最長筋
    の横断面積および脂肪含量を簡便かっ客観的に推定するために,黒毛和種およびホルスタイン種肥育牛33頭の第13胸椎と第1腰椎間を屠殺約1週間前にカラースキャニングスコープUSL-21型で測定した.カラースキャニングスコープの測定で得られた画像をフロッピーディスクに転送し,パソコンによって画像処理を行ない,胸
    最長筋
    の横断面積および脂肪含量を推定した.一方,測定した部位については屠殺後の枝肉を切断し,胸
    最長筋
    横断面積をプラニメータで測定するとともに脂肪含量をエーテルで抽出し,測定した.胸
    最長筋
    の横断面積の推定値と枝肉からの実測値との間には高い相関があった(r=0.95).脂肪含量の推定にはTVG-Gain 3, TVG-Level2, TVG-Start 0およびSensitivity 2で測定した画像中の胸
    最長筋
    の横断面積の青色ドット割合から推定した結果,黒毛和種では脂肪含量と青色ドット割合の相関(r=0.76)は高かったが,ホルスタイン種では相関が低かった.以上の結果,カラースキャニングスコープでの測定とパソコンでの画像処理を組み合わせることによって肉用牛の胸
    最長筋
    の横断面積および黒毛和種去勢牛の脂肪含量の客観的な推定が可能になった.
  • ―腰痛の有無による比較―
    吉村 和代, 矢倉 千昭, 荒巻 誓子
    理学療法学Supplement
    2009年 2008 巻 P3-358
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】腰部の
    最長筋
    と多裂筋は,立位姿勢における腰部の安定した支持性を保つために重要な筋であり,これらの緊張は抗重力位になるにつれて高くなることが知られている.しかし,腰痛患者では,多裂筋などの機能低下が起こり,相対的に
    最長筋
    や腸肋筋などの緊張が過剰に高まるようになる.近年,筋硬結や筋の緊張度を数値化して測定する筋硬度計を用いた研究が散見されるようになったが,腰痛の有無と
    最長筋
    の筋硬度の比較や,腰部にかかる重力荷重負荷に伴う筋硬度変化についての報告は少ない.そこで,本研究では,腰痛の有無による腰部の
    最長筋
    の筋硬度差,および起立傾斜台を用いた腰部への重力荷重の増大にともなう
    最長筋
    の筋硬度変化量の特徴について調査することを目的とした.
    【方法】対象,一般成人20名(男性9名,女性11名),平均年齢26.4±6.3歳で,慢性的な腰痛のある者(腰痛有群)13名,ない者(腰痛無群)7名であった.なお,すべての対象者に対し,事前に書面にて研究の目的と内容を説明し,同意を得てから調査を行った.体格の指標として身長と体重を測定してBMIを算出し,さらに体幹脂肪蓄積の指標としてウエスト囲を測定した.筋硬度の測定は,生体組織硬度計PEK-1(井元製作所)を用い, L4レベルの両側の
    最長筋
    を測定した.測定方法は,対象者を起立傾斜台に腹臥位にさせ,腹部にバスタオルを敷いて腰椎を前後弯中間位に調節し,傾斜角度0°,15°,30°,45°,60°,75°における筋硬度を測定した.測定回数は3回とし,その平均値を代表値とした.統計解析については,腰痛の有無による男女比はχ2検定を,年齢,身長,体重,BMIおよびウエスト囲の比較は対応のないt検定を用い,腰痛の有無と各傾斜角度における
    最長筋
    の筋硬度変化の比較には二元配置反復測定分散分析を用いて分析した.
    【結果】性,年齢,身長,体重,BMIおよびウエスト囲は,腰痛の有無による有意差がなかった.また,傾斜角度によるL4棘突起レベルの両側の
    最長筋
    の筋硬度も,腰痛の有無による有意差がなかった.起立傾斜角度の増加による筋硬度変化では,腰痛有群は両側とも傾斜角度30°から
    最長筋
    の筋硬度が有意に増加した.一方,腰痛無群では,右
    最長筋
    は有意に増加しなかったが,左
    最長筋
    は傾斜角度45°から有意に増加した.
    【考察】本研究の結果,腰痛のある者は,低い傾斜角度から
    最長筋
    の筋硬度が増加することが示された.腰痛がある場合,腰椎を支持する多裂筋の機能低下が起こり,傾斜角度の増大に伴う多裂筋の緊張が得られにくくなる.そのため,
    最長筋
    は,腰部に対して軽度の荷重負荷がかかる低い傾斜角度から筋の緊張度を高め,多裂筋の機能を補っている可能性があると考えられる.
    【まとめ】腰痛のある者は,腰部に対する軽度の荷重負荷から
    最長筋
    の筋硬度が増加することが示された.
  • 長谷川 未央, 口田 圭吾, 佃 秀雄, 加藤 浩二, 鈴木 三義, 三好 俊三
    日本畜産学会報
    2004年 75 巻 1 号 53-60
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/07/04
    ジャーナル フリー
    BMSナンバーの格付の際に,その評価を左右する要因の一部として考えられる脂肪交雑粒子のあらさ(あらさ)および胸
    最長筋
    の形状(形状)について画像解析により評価し,新たに単独粒子のあらさ指数の検討を行った.さらに,あらさおよび形状に関する情報を加味した,客観的なBMSナンバー推定法を検討した.分析には,黒毛和種間接検定材料牛446頭の枝肉横断面画像ならびに格付記録を用いた.胸
    最長筋
    内に存在する極端にあらい単独の粒子を識別するため,最大粒子のあらさを全体の粒子のあらさで除した,単独粒子のあらさ指数を算出した.同程度の脂肪面積比であるにもかかわらず,BMSナンバーが低く評価された要因について検討するため,サンプルの脂肪面積比と格付によるBMSナンバーごとの平均脂肪面積比との差(脂肪面積比の差)を解析対象とし,それが正であったサンプル(n=193)について,格付によるBMSナンバーに対するあらさや形状の影響を調査した.さらに,全データを用いてあらさおよび形状を考慮したBMSナンバーの推定を行った.単独粒子のあらさを用いることで,より好ましくないと推察される,胸
    最長筋
    内に単独で存在する粒子を選別できることが確認された.脂肪面積比の差と全体の粒子のあらさとの間に有意な正の相関が示され,BMSナンバーの評価を下げる要因のひとつを特定できた.画像解析により推定されたBMSナンバーと格付によるBMSナンバーとの差が±0である割合は51.4%,±1以内である割合は92.4%となった.
  • 楠 貴光, 早田 荘, 大沼 俊博, 渡邊 裕文, 鈴木 俊明
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 O-KS-03-4
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに,目的】

    上肢前方挙上(以下,上肢挙上)動作は,姿勢や動作戦略の変化により肩関節運動に伴う体幹運動も変化するため,体幹機能についての詳細な評価,治療が重要となる。そこで立位での両上肢挙上課題(以下,立位課題)を座位での結果と比較し,両上肢挙上動作の姿勢変化が体幹背面筋の筋電図積分値相対値(以下,相対値)変化に与える影響を検討した。

    【方法】

    対象は健常男性16名(平均年齢23.4±1.3歳)とした。まず立位課題の上肢下垂位にて筋電図計MQ8(キッセイコムテック社製)を用い,多裂筋及び腰

    最長筋
    ,胸
    最長筋
    ,腸肋筋の筋電図を10秒間3回測定した。電極位置はVinkらの報告に基づき決定し,双極導出法にて電極間距離2cmとした。そして両上肢挙上角度を30°~150°の範囲で30°毎に無作為に変化させ,筋電図を測定した。また上肢下垂位の各筋の筋電図積分値を1とした相対値を求め,両上肢挙上角度の変化が各筋の相対値に及ぼす影響について検討した。さらに座位にて両上肢挙上角度を変化させた課題(以下,座位課題)についても同様の方法で検討し,各課題間の差を比較した。統計処理は各筋の相対値に正規性を認めなかった為,フリードマン検定とScheffe testを用い,各課題間の差についてWilcoxon符号付順位和検定にて検討し,いずれも有意水準は5%とした。

    【結果】

    立位課題の相対値は多裂筋が30°と比較して90°で有意に増大し,60°,90°と比較して150°で有意に減少した。腰

    最長筋と胸最長筋
    は30°と比較して90°にて有意に増大し,腸肋筋の有意な変化は認めなかった。座位課題の相対値は多裂筋が30°と比較して90°で有意に増大し,60°,90°,120°と比較して150°で有意に減少した。腰
    最長筋
    は90°と比較して150°にて有意に減少したが,胸
    最長筋
    と腸肋筋は有意差がなかった。また各課題間の差の比較では,腰
    最長筋と胸最長筋
    は上肢下垂位の筋電図積分値にて立位課題が有意に低値を示し,各挙上角度の相対値の比較にて立位課題が有意に高値であった。

    【結論】

    立位課題の90°では上肢質量の前方変位により,胸腰部に屈曲方向への力が生じることに対し,腰

    最長筋と胸最長筋
    が胸腰部伸展位を保持し,腰椎前弯による上肢挙上に伴う胸腰部伸展に多裂筋が関与する。そして150°では上肢質量の前上方移動に加え,腰椎前弯の増大により多裂筋は短縮位となり,骨盤肢位保持への関与は減少する。また座位課題では90°での胸腰部伸展による体幹の後方移動に対し,多裂筋が腰椎前弯作用として骨盤を前傾させ肢位を保持する。また150°では体幹の後方移動は減少し,多裂筋と腰
    最長筋
    の肢位保持への関与は減少する。座位課題における胸
    最長筋
    の胸腰部伸展保持作用は,各上肢挙上角度にて上肢下垂位と同程度の活動であるが,立位課題では上肢挙上角度の増大とともに90°をピークとした胸
    最長筋と腰最長筋
    の抑揚のある筋活動の推移が必要となる。

  • 浜崎 陽子, 中橋 良信, 村澤 七月, 口田 圭吾
    日本畜産学会報
    2009年 80 巻 3 号 333-340
    発行日: 2009/08/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    黒毛和種4,283頭および交雑種3,315頭を用いて,胸
    最長筋
    の脂肪面積割合の程度が異なることで,枝肉格付形質および胸
    最長筋
    に関する画像解析形質にどのような傾向があるかを調査した.なお,BMSナンバーに最も影響する脂肪面積割合の程度により,品種ごとにデータを分類した.交雑種は,同程度の脂肪面積割合であっても黒毛和種よりBMSナンバーが低く評価されており,その差は脂肪面積割合の高いものほど顕著であった.BMSナンバーの評価値に品種間で差が生じる主な原因は,脂肪交雑粒子のあらさや細かさに品種間で違いがあるためと推察された.また,脂肪面積割合区分別の最大粒子のあらさ指数とBMSナンバーとの相関係数は,黒毛和種の35%以上の区分において有意な負の値(-0.093~-0.290)を示した.交雑種においては,脂肪面積割合20%以上から50%未満の区分において有意な負の相関係数を示した(-0.127~-0.292).このことから,脂肪面積割合が高い場合には,あらい脂肪交雑粒子の存在がBMSナンバー低下の要因となることが判明した.
  • ‐超音波診断装置Real-time Tissue Elastographyを用いて‐
    道明 大貴, 遠藤 達哉, 茂木 基, 村上 幸士
    理学療法学Supplement
    2019年 46S1 巻 1-O-7-1
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/20
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに、目的】ローカル筋の機能不全は

    最長筋
    (以下LM) や腸肋筋といったグローバル筋の過活動を誘発し, 非特異性腰痛の一因として認められる。先行研究では, 腹横筋(以下TrA) の収縮により胸腰筋膜を介した脊椎の分節的安定性が向上すると報告されている。また, TrA筋厚や多裂筋横断面積に左右差を認めたとの報告もある。臨床では, 腰痛患者のグローバル筋に筋緊張の左右差が生じていることを多く経験する。本研究では, TrA収縮時にLM筋硬度に左右差が生じる可能性があると考え, 二台の超音波画像診断装置を用いて安静時とTrA収縮時の筋硬度変化を比較検討した。

    【方法】 対象は健常成人男性20名(平均年齢21.3±0.8歳) 。LMの筋硬度は超音波画像診断装置(Preirus) のReal-time Tissue Elastography(以下RTE) を用いて測定した。TrAのモニタリングには移動式超音波診断装置(ARIETTA Prologue) を用いた。測定肢位は, 肩峰からの床への垂直線上に体幹を保持するよう指示し, 骨盤前後傾中間位, 股関節屈曲90°, 股関節内外転中間位, 膝関節屈曲90°の端座位とした。課題動作は安静座位とdrow-in座位とした。超音波画像を用いてdrow-inによるTrAの収縮を視覚的にFeedbackし, TrA収縮を確認しながらLM筋硬度を測定した。LMの測定は, 第4腰椎棘突起を画像上指標とし, 短軸像を抽出した。TrAの測定は, 臍高位を指標に腹横筋筋膜移行部の長軸像を抽出した。RTEを用い安静時およびTrA収縮時のLM筋硬度を左右1回ずつ撮像した。なお, 測定はランダム化した上で実施した。筋硬度の測定では, 音響カプラを基準物質(A) とし, LM(B) の相対的硬度(B/A) を算出した。安静時LM筋硬度とTrA収縮時LM筋硬度の変化率({TrA収縮時LM筋硬度-安静時LM筋硬度}/安静時LM筋硬度) を求めた。統計学的処理にはSPSSver.21.0を使用し, 左右のLM筋硬度変化率をウェルチのt-検定にて比較した。なお, 有意水準は5%未満とした。

    【結果】 右側LM筋硬度変化率は0.26±0.80, 左側LM筋硬度変化率は-0.18±0.54であり, 右側LM筋硬度は低下した。左右のLM筋硬度変化率を比較すると有意差(p<0.05) を認めた。

    【結論】RTEにて右側LM筋硬度変化率と左側LM筋硬度変化率を左右比較した結果, 有意に左右差を認めた。相対的硬度(B/A)の高値は硬度の低下を示すことから, 右側LM筋硬度は低下傾向であると考える。先行研究によると, TrA収縮時に後方の筋付着部を緊張させ, 外側方向へ牽引することで腰椎伸展運動が生じると報告されている。また, 胸腰筋膜深葉は横突起に付着しており, TrA収縮の大部分は胸腰筋膜中層を経て伝達されるため, 深葉と比較してと浅葉の張力は低下すると考えられる。また, Kouwenhoven JWMらが報告した椎体の回旋方向の法則性に従うと, TrA付着部レベルの椎体は右回旋位にあり, 右胸腰筋膜の張力が高いことが考えられる。従って右TrAが収縮しやすい環境であり, 右胸腰筋膜深葉の張力や位置の変化によりLMの筋内圧低下が起こり, 相対的筋硬度(B/A)が低下したと考えられる。

    【倫理的配慮,説明と同意】被験者にはヘルシンキ宣言に基づいて本研究の目的や方法や研究による利益・不利益などを書面にて説明し, 同意書への署名により同意を得た。参加は自由意思に従うもので, 得られたデータや個人情報は匿名加工情報対応表を用いて厳重に管理した。

  • 口田 圭吾, 菊地 彩, 加藤 浩二, 日高 智, 鈴木 三義, 三好 俊三
    日本畜産学会報
    2003年 74 巻 1 号 23-29
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/05/25
    ジャーナル フリー
    最長筋
    の皮下脂肪側において,筋間脂肪が胸
    最長筋
    内に大きく入り込んでくぼみのあるもの(いわゆる‘ハート芯’)は,枝肉の価値を低下させる一因であるとされる.本研究では,画像解析による新たなハート芯評価方法について提案すること,ならびに黒毛和種のハート芯形成に対する種雄牛の影響を検討することを目的とした.枝肉横断面撮影装置によって撮影された第6~7肋骨間の胸
    最長筋
    画像を2値化した.2値画像について胸
    最長筋
    の境界線を検出し,膨張処理ならびに細線化処理を行い,なめらかな胸
    最長筋
    の輪郭線を得た.胸
    最長筋
    の長径より上部(皮下脂肪側)について,凸部を結んだ凸多角形を描き,凸多角形と胸
    最長筋
    の輪郭線が作る領域について,その面積,パターン幅等を測定した.得られた画像解析形質のうちから3変数を用い,肉眼で判定したハート芯の程度を分類変数とする線形判別分析を行ったところ,その判別率は,97.0%と極めて高く,画像解析によりハート芯の程度を数値化することを可能とした.237頭(種雄牛32頭)の黒毛和種産肉能力検定間接法の材料牛について,ハート芯の程度を肉眼で調査したところ,38頭においてハート芯が確認された.画像解析により評価したハート芯の程度に対する種雄牛の効果は高度に有意(P<0.01)であり,特定の種雄牛からの後代にハート芯の出現頻度が多い傾向が認められ,ある1頭の種雄牛については,後代6頭すべてがハート芯の形状を呈した.
  • 原田 宏, 熊崎 一雄
    日本畜産学会報
    1979年 50 巻 5 号 305-311
    発行日: 1979/05/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    わが国の枝肉取引あるいは,肉用種の産肉能力検定において皮下脂肪厚,ロース芯面積および脂肪交雑は,枝肉評価の基準として用いられる重要な経済形質である.こさらの形質に関する情報を生体のままで入手する方法として,超音波スキャニングスコープによる推定方法について検討した.55頭の黒毛和種去勢牛を試験材料とし,測定部位ならびに解析者の効果について検討した.その結果,胸
    最長筋
    横断面積についての第10~11あるいは第12~13肋骨間に比べ,第5~6あるいは第7~8肋骨間で測定した方が,より正確に推定できること,超音波推定値の解析者による差の平均値は,皮下脂肪厚で0.04mm(第5~6肋骨間)と0.72mm(第7~8肋骨間),胸
    最長筋
    横断面積で0.31cm2(第5~6肋骨間)と0.78cm2(第7~8肋骨間),脂肪交雑で0.17(第5~6肋骨間)と0.15(第7~8肋骨間)であり,2名の解析者による各部位推定値は,いずれも有意な相関関係を示したことから超音波スキャニングスコープは,皮下脂肪厚,胸
    最長筋
    横断面積および脂肪交雑を生体のままで推定する1つの有効な手段であると判断された.
  • 泉本 勝利, 谷山 弘行
    日本畜産学会報
    1995年 66 巻 9 号 796-801
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    筋肉内骨化筋肉はきわめてまれな異常筋肉である.牛筋肉の骨化は,X線直接撮影によって,胸
    最長筋
    断面の全体に認められ,周辺の僧帽筋には認められなかった.pHは7.05で異常に高く,水分83%,骨化固形分は12.6%であった.アミノ酸組成はハイドロオキシプロリン,プロリン,グリシンなど膠原線維に類するものが多かった.組織は骨格筋線維の形態を示さず,組織化学的に膠原線維からなる紡錘形細胞が認められた.正常筋肉と比べて,骨化筋肉のCa, P含量は各々約25倍,3倍であった.その骨化部のミネラル成分は肋骨と類似していたが,Zn, Feは肋骨の3-4倍であった.骨化部は,巨視的には珊瑚状枝多孔質塊であり,走査電子顕微鏡よる微細構造は海綿状であった.骨化の原因の1つに,胸
    最長筋
    の中心部が結合組織化,石灰化あるいは化生によって骨化して組織を損傷し,これを修復した結合組織が骨化を生じ,このプロセスを繰り返すことによって,胸
    最長筋
    に限定された骨化形成が進行したものと考えられた.
  • 山口 悠, 口田 圭吾
    日本畜産学会報
    2013年 84 巻 4 号 487-491
    発行日: 2013/11/25
    公開日: 2014/02/25
    ジャーナル フリー
    一価不飽和脂肪酸割合などの脂肪酸組成や胸
    最長筋
    内脂肪含量などの枝肉横断面から客観的に評価可能な形質と食味との関連性を調査し,枝肉格付時に得られる客観的な指標を用いて食味の評価を検討することを目的とした.交雑種雌牛10頭の胸
    最長筋
    および僧帽筋を用い,脂肪酸組成分析および画像解析,官能評価を行った.全7セットについて10-60代男女の合計280名のパネルにより,2点嗜好法で嗜好差の採点を含む評価を行った.サンプルの組み合わせは一価不飽和脂肪酸(MUFA)割合および脂肪面積割合(MP),あらさ指数(CIM)を対象とし決定した.胸
    最長筋
    を用いたMUFA比較2セットでは,香りおよび多汁性についてMUFAの低い方が支持された(P<0.05).胸
    最長筋
    を用いたMP比較2セットにおいてはMPの高い方が有意に柔らかく,多汁性に富む(P<0.05)結果となった.胸
    最長筋
    と同一個体を用いた僧帽筋のMUFA割合比較およびMP比較では胸
    最長筋
    と同様の結果が得られた.
  • 鵜野 亜矢, 文野 住文, 高田 毅, 鈴木 俊明
    理学療法学Supplement
    2013年 2012 巻 A-P-09
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】我々は動作分析する前段階において静止時姿勢を観察する。姿勢変化で生じるアライメント変化の関連性が身体連動パターンで起こるため、静止時姿勢は重要な評価項目となる。臨床現場において静止時姿勢である座位姿勢において過度な骨盤前傾位または後傾位を呈する患者をよく経験する。座位での骨盤変位は立ち上がり動作のような前方への重心移動をともなう動作に影響を与えるために、骨盤変位の改善は運動療法の目的のひとつとなる事が多い。骨盤後傾の原因として、内腹斜筋、外腹斜筋、腹直筋、ハムストリングス、背筋などの筋緊張異常が考えられ、その中でも今回は背筋に着目した。背筋は
    最長筋
    、腸肋筋、多裂筋で構成されているが、理学療法の臨床において同じ作用を持つ3 筋のなかで筋緊張に差異を認める症例を経験した。今回本研究では、
    最長筋
    、腸肋筋、多裂筋の筋硬度が骨盤前後傾にどのように影響しているのかを健常者を対象として、組織硬度計を用いて検討した。【方法】対象は本研究に同意を得た健常男性14 名(平均年齢21.2 ± 5.8 歳)とした。座位で骨盤最大前傾・最大後傾姿勢をとり左右の
    最長筋
    、腸肋筋、多裂筋をVinkらによる表面筋電図を測定する部位で組織硬度計(伊藤超短波株式会社)を用いて硬度を測定した。各々の姿位での硬度のデータをKolomogorov-Smirnov検定とShapiro-Wilk検定を用い検定したが正規性を認めなった。そのため、今回は各筋の骨盤前傾位と骨盤後傾位での筋硬度の比較をWilcoxon符号付順位検定により検定を行った。【倫理的配慮、説明と同意】本研究は関西医療大学倫理委員会の承認を受けており、対象者には本研究の目的・方法を説明し同意を得た。【結果】骨盤前傾位での組織硬度は右
    最長筋
    35.46 ± 7.98、左
    最長筋
    36.61 ± 11.39、右腸肋筋21.71 ± 3.17、左腸肋筋23.61 ± 3.95、右多裂筋32.54 ± 6.11、左多裂筋31.34 ± 6.10 であった。骨盤後傾位での組織硬度は右
    最長筋
    46.29 ± 8.54、左
    最長筋
    47.8 ± 8.01、右腸肋筋34.69 ± 6.77、左腸肋筋36.00 ± 8.07、右多裂筋42.68 ± 8.37、左多裂筋46.34 ± 8.60 であった。左右ともに
    最長筋
    、腸肋筋、多裂筋は骨盤後傾位で前傾位と比較して、組織硬度の亢進を認めた(p<0.05)。【考察】今回、臨床上よくみられる姿勢パターンである座位での骨盤前後傾位で組織硬度計を用いて
    最長筋
    、腸肋筋、多裂筋の硬度を測定した。左右
    最長筋
    、腸肋筋、多裂筋は骨盤後傾位で前傾位よりも高い硬度となった。一般的には骨盤前傾位では腰背筋の筋緊張は増加し、後傾位であれば腰背筋の筋緊張の増加は必要ないと言われている。今回の我々の研究では後傾位で
    最長筋
    、腸肋筋、多裂筋の組織硬度は前傾位と比較して増加した。筋電図を用いた報告と今回の報告と比較すると、臨床で行っている筋緊張検査は筋の緊張だけではなく、軟部組織、皮膚の硬さを含めて評価され、決して筋緊張の活動だけを反映しているのではない可能性が示唆された。具体的には、後傾位で前傾位と比較として組織硬度が亢進しているのは背筋が伸張位で姿勢保持を行なっており、軟部組織、靭帯なども影響していると考えられる。今回は組織硬度計を用いた単独の研究であるために、将来的には筋電図と組織硬度計を用いて検討したいと考えている。【理学療法学研究としての意義】今回の研究により、
    最長筋
    、腸肋筋、多裂筋は骨盤後傾位で前傾位と比較して、組織硬度の亢進を認めた。筋緊張検査では筋緊張の活動を反映しているとは限らず、臨床で筋緊張検査を行う際は筋の硬さ、柔らかさだけで筋活動の有無を判断してはならないことが本研究で示唆された。
  • 後藤 貴文, 岩元 久雄, 尾野 喜孝, 西村 正太郎, 松尾 健治, 高原 斉, 中西 良孝, 梅津 頼三郎
    日本畜産学会報
    1994年 65 巻 5 号 454-463
    発行日: 1994/05/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    黒毛和種の去勢雄牛を用いて,胸
    最長筋
    の第6胸椎(LTI面),第11胸椎(LTII面)および第5腰椎(LTIII面)位の背側,中心,腹側,内側および外側部における筋線維型構成について,脂肪交雑度の高かったA群(Beef Marbling Standard No. 5以上)と低かったB群(Beef Marbling Stand- and N.4以下)間で比較検討した.筋線維は,酵素組織化学的に,βR型筋線維(slow-twitch oxida-tive fibers),αR型筋線維(fast-twitch oxidative fibers)およびαW型筋線維(fast-twitch glycolytic fibers)に区別された.両群の胸
    最長筋
    において,筋線維型構成は,LTI面でLTIIおよびLTIII面よりもβR型筋線維が多く,αW型筋線維が少なかった.これに対しαR型筋線維の構成割合はLTI, LTII, LTIII面において変化を示さなかった.一方,LTIIとLTIII面間には筋線維型の構成割合の変化は見られなかった.A群のLTI面では背側部でβR型筋線維の構成割合が最も高く,腹側部で最も低く,それに対しαW型筋線維の構成割合は背側部で他の4部位よりも有意に低かった.LTIとLTIII面間において,B群はA群よりもαR型筋線維の構成割合が有意に高かった.筋線維の直径はLTI面のαR筋線維とαW型筋線維がB群でA群よりも有意に大きかった.
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