温泉中のゲルマニウム含墨,分布状態を知り,他の成分との関係について考えるために,定量法を確立し,北海道および青森県の温泉を対象として研究を行なった。その結果,ゲルマニウムが検出されなかった温泉は,130試料中,9試料に過ぎずほとんどすべての温泉に広く分布している。しかしその含量は0.4~43γ/1にとどまり,岩石と比較すると非常に微量である。このゲルマニウムの分布の仕方は,対i数正規分布をしていることが認められた。また温泉をpHによって大別し,その間のゲルマニウムの分布をみると,酸性およびアルカリ性の温泉が申性泉より多量のゲルマニウムを含むことが明らかになった。さらに,ゲルマニウム含量は他の微量金属成分と同様一定のものでなく,かなり大きく変動することも明らかになった。
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