プレストレストコンクリート (PC) 舗装は, 施工初期のひびわれ発生および設計プレストレス量の導入の問題から, ほとんどが版長100m程度までである。この版長を可能な限り長くできれば, 工期短縮, 経済性の両面で有利となる。本稿は, 新
東京国際空港
で施工された版長151 mのPC舗装において, 初期ひびわれ防止の効果および設計プレストレス導入の確認調査を行った。その結果, 次のことが明らかになった。 (1) 初期ひびわれ発生に関する事前検討によれば, 通常の施工・養生状態では初期ひびわれ発生の危険性が高いが, 十分な温度管理をしつつ養生を行えば, これを防ぐことができる。 (2) 実施工において, 事前検討にもとづく養生を行った結果, 水和熱によるコンクリート温度の急激な下降を防ぎ, ひびわれの発生を防ぐことができた。 (3) 1次緊張は, 路盤とコンクリート版との摩擦を切り, ひびわれ防止に効果がある。 (4) 路盤とコンクリート版の拘束は, 版中央に向かって大きくなり, 緊張後は温度変化によるコンクリート版の伸縮の繰返しにより徐々に小さくなる。また, 2次および本緊張後の拘束は比較的大きく, プレストレスは直ちには入りにくい。このことは緊張直後に交通解放することの危険性を示唆している。 (5) 151mの長版においても設計プレストレスが導入された。
抄録全体を表示