臨海副都心地域における実証実験(1),(2),(3) では,実験エリア内33交差点に設置されたITS無線路側機から提供される信号情報を活用し,インフラ協調型自動運転による一般道路の信号交差点を安全かつ円滑に通行できることを,延べ29,728回の交差点通過(内,信号情報を活用した自動運転:約18%)により検証した.逆光や順光,雨天,前走車やカーブによる隠蔽・遮蔽,夜間及び背景同化等車載カメラでは信号灯色を認識できない道路交通環境下においては,現在の信号灯色情報を把握・活用することで交差点での自動運転が可能であることを確認した.また,交差点通過判断に差異が生じやすいジレンマゾーンでは,信号残秒数情報を活用することで,交差点手前で急減速・急加速を生じることなく安全に停止,または,安全に通過できることを確認した.一般道路における高度な自動運転の実現に向けては,自動運転導入エリアの設定や信号情報を提供するITS無線路側機の面的整備を進めることで,路車協調による安全で円滑な自動運転の導入・拡大が可能と考えられる.
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