わが国の鉄道で使用された明治期のトラス桁のうち, 英国人が設計したもの, 英国の流儀で日本人が設計し, 英国のメーカーで製作したものを「英国系」の桁と考えて, それらの技術的特徴を調べるとともに, 架設・撤去・転用の状況を, 各種の文献と現橋の調査によって明らかにした.わが国で架設された英国系のトラス桁はおよそ366連であり, これまでに判明しただけでそのうち253連が鉄道橋や道路橋として転用されている.また, 63連がなんらかの形で現存していることが確認されたが, 消滅は加速度的である.各桁ごとの履歴の詳細は付録として文末に掲げて今後の調査・研究の参考とした.
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