以上の結果をまとめると(1)都市のリモートセンシングでは目的によって解像度の選択したがって飛行高度の選択が重要である。(2)人工衛星搭載のMSSによる市街地の測定データには地表の被覆材料と凹凸が大きく反映していることを実測例と市街地の日影モデルによって明らかにした。(3)MSSデータによる一連の分類図作成法を示した。(4)8種類の分類項目により東京の都市空間分類図を作成し, 空間構造の変化と現状を明らかにした。(5)リモートセンシングによるメッシュ単位の建物平均階数, 建ぺい率, 容積率の推定法を明らかにした。このうち分類図の精度についてはなお向上の余地があると考えられ, したがって容積率等の推定精度も向上するものと思われる。なお, 今後は今回作成した分類図をもとに空間構造と放射および各種気象統計との関連を明らかにして行く予定である。最後に本報告にあたって日本アイビーエム東京サイエンティックセンターIPグループの学生諸氏, および早稲田大学建築学科早川雅浩君, 同武内修二君に多大の御助力を頂いたのでここに感謝の意を表するものである。
抄録全体を表示