本テーマでは,通所リハビリテーションにおけるリハビリテーションマネジメントの運用とその効果,そして,今後の役割について考察する。
あすかHOUSE松伏は,埼玉県北葛飾郡
松伏町
にあり,入所100床,通所リハ定員40名の老健である。
平成18年度介護報酬改定にてリハビリテーションマネジント(以下,リハマネ)が創設された。平成27年度介護報酬改定ではリハマネⅠ・Ⅱ,平成30年度介護報酬改定では,リハマネⅡがⅡ・Ⅲ・Ⅳに細分化された。本稿ではリハマネⅡ・Ⅲ・ⅣをリハマネⅡとして扱う。
リハマネⅠは,SPDCAサイクルを通じて,リハビリテーションの質の管理を行うものである。関連スタッフとのリハビリテーション会議を開催した上でのリハビリテーション実施計画書の説明と同意,開始時における居宅訪問,介護支援専門員や他事業所への情報伝達や連携を行う。
リハマネⅡは,リハマネⅠの要件に加え,利用者・家族を加えたリハビリテーション会議の開催を通じて,退院(所)後間もない者や,新たに要介護認定を受けた者の生活不安に対して,健康状態,生活の見通し及び計画を立案し,内容等を医師が利用者又は家族に説明するものである。
当施設では,平成27年4月よりリハマネⅡを実践している。取り組み開始から5年が経過し,リハマネⅡでの要介護度の改善例が多い印象を受けた。そこで,当施設利用者におけるリハマネⅠ介入群50名とリハマネⅡ介入群88名の要介護度改善の違いについて検討したところ,リハマネⅡ介入群で有意に改善した結果が得られた。
通所リハビリテーションの役割は,医療機関や介護保険施設等から退院(所)した者が一定期間通所リハビリテーションを利用し,状態が安定した後,通所介護や地域支援事業等へ移行する構図が示されている。今後は,多職種と連携し地域でのサービス等に繋げる橋渡し役としての機能が一層求められると推察される。
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