南西諸島に自生するシバ属野生種37系統における形態的特性および被度増加について調査し,これらの関係を明らかにするとともに,クラスター解析による分類を試みた。形態的特性および被度増加率をもとにしたクラスター解析の結果,供試41野生・栽培種は大きく3群に分類でき,クラスターIはOujima 1およびMiyakojimaの2系統を除くすべての系統がZ. matrellaであり,クラスターIIはMinatogawa 2を除くすべての系統がZ. tenuifoliaで構成されていた。このことは,葉幅とその他の形質との高い相関に関係するものと考えられた。さらに,被度増加率は,葉幅,草丈および匍匐茎長に深く関係することが認められ,またフラクタル解析システムを用いることで,シバ系統間の被度増加能力を容易に評価でき,高被度増加率を示す系統を選抜することが可能であった。
抄録全体を表示