本稿に於ては,非同期進相機の廻轉子用勵磁機として大型のものに現在使用せらるゝ,整流子型三相交流發電機に就て,基本微分方程式を誘導し,之を對稱座標法によつて表はしたものである。
使用した假定は,磁氣飽和及び鐵損の影響を無視せる事と,整流作用は理想的である事のみである。
基本式は一般の凸極機に就て誘導し,對稱機は其の特別なる場合と考へた。而して變成起電力及び廻轉起電力に對する定數間の關係,凸極機として有する反作用廻轉力の性質等も明かにした。基本式は平衡状態は勿論,不平衡の場合に於ても過渡,定態何れの現象にも適用し得るものである。之によつて整流子型三相交流發電機は全く通常の電氣回路の理論として取扱ふ事が出來る。本稿は著者の前稿,整流子型周波數變換機の續稿とも見做し得可く,尚本稿には補償捲線を有する整流子型周波數變換機の基本式も誘導して置いた。
抄録全体を表示