肺切除を伴わない気管, 気管支形成術を施行した7症例について臨床的に検討した。7例の内訳は, 25∿75歳までの男性4例, 女性3例であり, 腺様嚢胞癌2例, 食道癌1例, 気管癌1例, カルチノイド1例, 気管支結核2例であった。食道を合併切除した気管癌では, 吻合部の血流が問題となった。現在では, 食道を合併切除する気管, 気管支形成術は, 有茎大網による吻合部の被覆を原則としている。また, 肺切除を伴わない気管気管支形成術の場合は, 温存を試みようとする肺の状態や, 末梢の気管支の状態を, 把握することも肝要である。
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