古楽復興運動の影響を受け, バロック声楽作品の歌唱やそれを専門とする
歌手
は「バロック歌唱」, 「バロック
歌手
」と呼ばれるようになった。その人気を受けて, 昨今では, 「メインストリームの
歌手
」にもバロック声楽作品を歌う機会が増えている。しかし, メインストリームの
歌手
が書物から実践上での指針を得ることは難しい。本研究では, メインストリームの
歌手
がバロック声楽作品を歌う上で留意すべき諸点を, メインストリームの
歌手とバロック歌手
を対象とした質問紙調査と, 著名なバロック
歌手
へのインタビューによって浮かび上がらせた。すなわち, ヴィブラートや音色, 音量といった具体的項目において両者の認識は大きく異なっていた。また, バロック
歌手
は, 音色, 音量, ヴィブラートを自在かつ器用にコントロールする能力を「バロック歌唱」に求めており, これらの要素は現在の「バロック歌唱」を特徴づけるものである。
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