過去4年間のDXN常時監視において, 環境基準を超過している神崎川水域における河川水質及び底質中のダイオキシン類 (DXN) の濃度分布について調査するとともに, 上流から下流にかけての地点における濃度変動や組成の変化について明らかにした。河川水中のDXN濃度は, 中流部でやや高いが, 下流地点では減少し, 濃度変動も小さかった。また, 水質及び底質濃度の高い中流部の地点において, 底質の巻き上げが水質に大きく影響を与えていることが確認された。
中流部における河川水の溶存態及び懸濁態DXN濃度の割合は, 5~8塩素化のPCDD/PCDFsで懸濁態DXNが90%以上を占めたが, 4塩素化PCDD/PCDFs及び4~5塩素化Co-PCBsの溶存態の割合は約20%程度とやや大きかった。
下流部底質中のCo-PCBs濃度は, 中流部の10倍程度高濃度であった。また, 含水率 (50~60%) , 強熱減量, 硫化物濃度の高いシルト分が主成分の底質に高濃度のDXNが検出された。
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