歯科医師
に必要な最低限の知識の有無を評価するために, 2002年の
歯科医師
国家試験から必修問題が導入された.国家試験では30問で80%以上の正解率が必要とされた.この研究の目的は, 卒前教育における必修知識の経時的な変化を評価することである.29名の
歯科医師
(卒後1.5年以内の者13名, 卒後2.5年以上の者16名) と卒業前6か月の歯学部6年生 (120名) に30問の必修問題の試験を実施した.3つのグループ (若年
歯科医師
群, 熟年
歯科医師
群, 学生群) の正解の平均点を, t-検定で検討した.識別指数0.15以下の質の低い問題が30問のうち5問あった.若年
歯科医師
の平均点 (68点) は, 熟年
歯科医師
(58点) や学生 (59点) よりも有意に高かった (危険率 : 5%).熟年
歯科医師
と学生間には有意差はなかった.これらから, 若年
歯科医師は学生や熟年歯科医師よりも歯科医師
としての必須の知識が多く, その知識量は卒後1.5年間の間維持されると思われた, しかしながら卒後2.5年以上が経過すると,
歯科医師
に必須の知識は減少すると思われた.この結果から, 予備試験における必修問題の適正化と卒前教育の改革の継続が必要であることが示唆された.
抄録全体を表示