現在米国の
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内では,ニュー•デモクラットと呼ばれる新しい系統の議員が急増している。この背景にはニュー•デモクラット•ネットワーク(NDN)という
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の政治活動委員会(PAC)の活動が存在する。NDNは1996年に発足したばかりのPACであるが,ニュー•デモクラット系の議員候補に対して直接政治献金を行っている。1990年代前半までは議会に中道派の議員集団は存在しなかったが,今日では
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下院議員の約3分の1,上院議員の4割がこの系列の議員集団に所属している。1985年の
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指導者会議の結成,1989年の進歩的政策研究所の設立を経て,ニュー•デモクラットの政治運動はNDNという政治資金調達装置と議員集団をもつに至り,党内で最大派閥となっており,これによって
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の性格も大きく変化しつつある。本稿はこのような
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の変容についての事例研究である。
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