1) 345×165×90cmのコンクリート
水槽
6面を用い, 注水量に毎分7.9
lおよび1.9
lの2段階を設け, 各注水量について注水のみ, 循環併用, 循環濾過併用の3方式で, 各
水槽
1.85kgのアユを収容し6週間の飼育を行った。
2) 各
水槽
とも前期3週間は異状なく飼育が行われたが, 後期の第5週の後半より6面中4面にエロモナス菌の感染による大量へい死がおきた。
3) いずれの
水槽
でもNH
4-N, NO
2-N, CODなどは漸増し, またpH, DOは低下した。注水量の多い
水槽は少ない水槽
に比べpH, DOは高く, NH
4-N, NO
2-N, CODなどは低い値を示した。いずれの注水量でも循環濾過併用
水槽は循環併用水槽
に比べ, DOおよびNO
2-Nは高く, NH4-Nは低い値を示した。Ca, SiO
2, 電導度などは注水量, 循環の有無と関係なくほぼ一様の値を示した。
4) COD, NH
4-N, アルカリ度のうちの2項目相互には正の, またこれら3項目とDOとは負の相関が認められた。
5) 前期3週間の結果では, 日間成長率は一部に例外はあるが, 注水量の多い
水槽
で高い値を示した。
6) いずれの注水量でも, 日間成長率は循環濾過併用
水槽
が最も高く, 次いで循環併用
水槽
, 注水のみの
水槽
の順となった。
7) 日間成長率および餌料効率はCOD, アルカリ度とは負の, DOとは正の相関が認められた。この中, DOが最も強く影響しているものと推定された。
8) 注水量が少なくても循環濾過を併用すると, 注水量の不足を補い, より高い日間成長率を示す場合があった。
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