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クエリ検索: "水頭症"
8,864件中 1-20の結果を表示しています
  • ―班研究を中心に―
    森 惟明
    医療
    2006年 60 巻 8 号 495-498
    発行日: 2006/08/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    1965年, AdamsとHakimにより提唱された「正常圧
    水頭症
    」(NPH)という疾患は, その症状としてみられる高齢者の痴呆が髄液シャント手術により改善できるという画期的なもので, 一躍脚光を浴びるようになった. 1978年から旧厚生省の
    水頭症
    研究班ではNPHの研究が開始されたが, 脳萎縮との鑑別が困難で, シャント手術の効果を術前に確実に予測することができなかったことから, 脳神経外科医には次第に注目されなくなった. 近年, わが国が高齢社会を迎えたことから, 特発性NPHが改めてクローズアップされるようになった.
    本稿では, これまでの班研究を中心に, その成果を振り返り, 今後の問題点につき述べる.
  • 川上 恭子, 芳野 弘, 五十嵐 弘之, 千葉 義幸, 芳野 原, 弘世 貴久
    日本老年医学会雑誌
    2017年 54 巻 2 号 186-190
    発行日: 2017/04/25
    公開日: 2017/06/07
    ジャーナル フリー

    特発性正常圧

    水頭症
    (Idiopathic normal pressure hydrocephalus:iNPH)はくも膜下出血,髄膜炎などの先行疾患がなく,歩行障害を主体として認知機能低下,尿失禁をきたし髄液循環障害に起因する脳室拡大を伴う病態である.今回,インスリン手技困難を契機にiNPHを診断しえた高齢2型糖尿病患者について報告する.症例は80歳,男性.当院内科に糖尿病にて外来通院中であった.20XX年3月中旬,自分で打っているインスリンの単位が分からなくなり,最近は他院の薬剤が内服できていないことに家族が気づいた.外来受診時の採血でHbA1c 8.4%と増悪し同年4月初旬に記憶障害および糖尿病精査加療目的にて入院となった.身体所見では外股,歩幅狭小といった歩行障害を認め,検査所見ではCK 326 IU/lの軽度上昇,随時血糖243 mg/dl,HbA1c 8.0%と糖尿病の血糖コントロールが不良であった.入院後より家族の問診からインスリンの手技が覚えられない,歩行障害,転倒,尿失禁があったことや長谷川式スコア(HDS-R)が10点と低値であることから,神経疾患や認知症の存在の可能性を考慮した.画像検査にて頭部MRIでは高位円蓋部の狭小を,水平断でEvans index 0.29とわずかに基準値以下であったものの脳室の拡大を認めた.以上の臨床症状や画像所見からiNPHの可能性を疑った.iNPHを評価する上でTap testを施行したが,HDS-Rが10から22と著明に改善,Up and Go testにおいても改善を認めた.以上から本症例はiNPHと診断した.その後,第31病日に右脳室腹腔シャント術を行い第55病日に退院し,術後のHDS-R,MMSE,Up and Go testも改善した.糖尿病については入院時インスリン頻回注射を継続していたが,退院後の生活を考慮しBasal oral therapy(BOT)に変更し,HbA1c 7.5%まで改善した.今回のiNPHの診断の契機となった認知機能障害とインスリン手技についてMMSE 23点以下は,インスリン自己注射が困難であり介護者に注射を依頼することが多くMMSE 24~25点で目盛の確認などの一部の援助を必要とする.今回,インスリン手技困難,歩行困難,排尿障害からiNPHを認めた2型高齢糖尿病患者の一例を経験した.高齢糖尿病患者でインスリン手技の困難がある場合は認知機能低下の存在に留意し,歩行障害や尿失禁があればiNPHの存在の可能性を考慮すべきである.

  • 北村 暁子, 鈴木 和広, 小口 武, 田中 健司, 浦田 士郎
    中部日本整形外科災害外科学会雑誌
    2009年 52 巻 2 号 389-390
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/06
    ジャーナル 認証あり
  • 森 悦朗, 山田 晋也
    臨床神経学
    2014年 54 巻 12 号 1190-1192
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/18
    ジャーナル フリー
    特発性正常圧
    水頭症
    の中核をなす,disproportionately enlarged subarachnoid-space hydrocephalus(DESH)の形態的変化は,くも膜顆粒からCSFが吸収されるという古典的な学説と,それに基づいた高位円蓋部くも膜下腔の癒着による流れの障壁があるという仮説では説明できない.MRI Time-SLIP法をもちいたCSFの動きの観察から,健常者でもDESH患者でも高位円蓋部にはCSFの動きはないことを示し,DESHを説明可能なCSF吸収の仮説を提唱した.
  • 後藤 淳, 荒川 千晶, 守屋 里織, 村井 麻衣子, 足立 智英, 浅田 英穂, 安芸 都司雄, 春原 則子, 高木 誠
    医療
    2006年 60 巻 8 号 500-503
    発行日: 2006/08/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    市中病院神経内科施設としての当院で経験された正常圧
    水頭症
    (NPH)とその関連疾患について, とくに非典型例を臨床的に検討し, 患者と家族のサイド, 医療者サイドから, 診療上のさまざまな課題の存在が示唆された.
  • 加藤 宏一, 堀 智勝, 廣瀬 昇, 小林 一成
    医療
    2006年 60 巻 7 号 446-447
    発行日: 2006/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    特発性正常圧
    水頭症
    (iNPH)の3徴の中で, 歩行障害はもっとも多く認められる症状であり, シャント術後の改善率も良好である. 歩幅の狭小化・すり足・不安定性など, 一見パーキンソン病に似た症状でもある. 他の症状の有無, 画像診断によりiNPHの診断は可能であるが, 髄液シャント術の効果予測は髄液tap testでの評価が有効である. 高齢者にみられる歩行障害にはiNPHが多く含まれると予想され, 今後, 適切な診断と手術適応がなされることが望まれる.
  • 石川 正恒, 半田 肇, 平井 収
    脳卒中
    1985年 7 巻 1 号 15-21
    発行日: 1985/02/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    クモ膜下出血後
    水頭症
    28例において, 腰部髄液圧の持続測定を行い, 髄液圧と圧波, 臨床症状との相関について検索した.
    髄液圧は意識障害の高度な群や正常圧
    水頭症
    群では無症状群より高い基礎圧を示す傾向にあったが, 有意差はなかった.基礎圧の高さと出血後の期間でも有意の差を認めなかった。圧波は基礎圧が高いほど頻発し, B波が主体をなしていた.しかし, 無症状群の中に圧波の出現をみる例や, 正常圧
    水頭症
    で短絡術有効にもかかわらず, 基礎圧が低く, 圧波の出現しない例もみられた.以上により, 正常圧
    水頭症
    の症状発現と頭蓋内圧の関係は必ずしも一定ではなく, 症状発現には脳血流, 脳代謝の因子も関与していると考えられた.
  • 中村 功, 山本 宏幸, 野村 博紀, 松田 智
    中部日本整形外科災害外科学会雑誌
    2011年 54 巻 1 号 85-86
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/03/19
    ジャーナル 認証あり
  • 杉本 精一郎, 杉本 晶子, 斉田 和子, 岸 雅彦, 塩屋 敬一, 比嘉 利信
    臨床神経学
    2008年 48 巻 8 号 575-578
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/25
    ジャーナル フリー
    症例は67歳女性である.65歳より歩行障害,発語障害が出現した.その後認知障害が生じ尿便失禁・寝たきり状態となった.入院時無言状態で昏迷,下肢優位に錐体路徴候を呈し,CT, MRIで脳室拡大と小脳橋角部腫瘍が判明した.髄液圧は正常で,髄液蛋白は上昇していた.RI脳槽造影ではRIの脳室内逆流と72時間後の残存があり,正常圧
    水頭症
    と考えられた.腫瘍摘出後,脳室拡大と髄液蛋白は減少し認知障害と運動障害は改善した.腫瘍は聴神経鞘腫であった.聴神経鞘腫にともなう正常圧
    水頭症
    は50%から78%ほどが腫瘍摘出のみで症状が改善するため,認知障害と下肢優位の錐体路徴候を呈す寝たきり患者で鑑別を要する疾患のひとつと考えられる.
  • ―タップテスト前後, シャント術1ヵ月後での比較―
    大槻 美佳, 佐々木 秀直, 岸本 利一郎, 村田 純一, 北川 まゆみ
    医療
    2006年 60 巻 7 号 448-452
    発行日: 2006/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    特発性正常圧
    水頭症
    (iNPH)における認知機能の特徴と, タップテスト前後やシャント術後の認知機能の変化を検討した. 対象はガイドラインでpossible iNPHと診断された8例(71-84歳). 方法は数唱, 逆唱, Trail Making Test A・B, Raven色彩マトリックスをタップテスト前, 後, シャント術1ヵ月後に施行した. 結果は, タップ前の検査で, iNPHの認知機能障害の特徴として, 視覚性注意の低下および前頭葉機能低下が示唆された. またタップテスト前後, シャント術1ヵ月後の比較では, 低下していた認知機能が正常範囲にまで改善した症例はなかった. 以上より, タップテスト後-シャント後1ヵ月という比較的短期間では, 認知機能の改善は明らかではないことが示唆された.
  • 橋本 正明, 向井 裕修, 塚田 利幸
    医療
    2006年 60 巻 7 号 442-445
    発行日: 2006/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    目的:1993.1月よりCodma Hakim Programmable Valve (CHPV)の使用を開始し, 2005.1月までの12年間で280症例の成人
    水頭症
    にCHPVによる脳室腹腔短絡術を行った. CHPV使用例において術後外科的処置を要したシャント機能不全や手術の合併症(SC)を検討した. 対象年齢は32-92歳に及び, 疾患別ではiNPH113, SAH85, ICH36, 頭部外傷(HI)16, BT15, その他15例であった. 何らかの外科的処置を要したSCは21(7.5%)例に認めた. その内訳は頭部外傷を含めて髄液過剰排出(overdrainage: OD)問題が13/21(62%)例で大半を占めた. CHPVで調節困難なOD症状を示す4例にshunt assistantなどの追加処置を要した. 結語: CHPVのSCは圧可変により, 多くの問題を解決しているが, OD, HIに関する問題には今後さらなる改善の余地が望まれる.
  • ―その運動学的検討―
    笹生 俊一
    医療
    1986年 40 巻 1 号 12-24
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
    脳卒中後など, 中枢神経後遺症における下肢機能につき, Cybex IIによる筋力発現機序と, POLGONによる歩容解析の両面から検討した. 脳卒中後片麻痺, 小脳性運動失調, 正常圧
    水頭症
    (NPH)を対象とし, 正常群, 各群間で, 筋トルク曲線の波形, 最大トルク, TRTD, TRFD, RITなどの値を比較したところ, 片麻痺群では最大トルクの低下, TRTD, TRFD, RITいずれも延長を示した. 一方運動失調では, トルク曲線のジグザグ化, RITのみの延長が認められ, NPHも類似の結果であつたが, 特にRITの延長が著明で, それぞれの病態で特異の傾向が示された. POLGONによる歩容曲線も正常型, 痙性歩行型, 運動失調型とそれぞれ特異なパターンを示したが, NPHにおいては, 運動失調型を最多に準正常型, 痙性歩行型も見られた. Cybex IIによる結果と一致し, NPHの歩行障害の機序として, 皮質下の下行路以外の複雑な伝導障害が示唆された. 又, Cybex II, POLGONいずれもリハ効果の客観的評価法として良い手段である.
  • 森 悦朗
    日本内科学会雑誌
    2005年 94 巻 8 号 1569-1576
    発行日: 2005/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性正常圧
    水頭症
    は,明らかな原因疾患がなく,脳室拡大に伴い,歩行障害を主体として痴呆,尿失禁をきたす病態をいう.髄液シャント術により症状の改善が得られるが,現在適切に診療されているとはいえない.最近特発性正常圧
    水頭症
    の診療ガイドラインが出版され,それを契機に適切な診療が行われることが期待できる.ここではそれをもとに特発性正常圧
    水頭症
    について概観する.
  • 髄液短絡管はいつまで必要なのか
    山田 博是
    脳と発達
    1983年 15 巻 3 号 176-181
    発行日: 1983/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    一般に停止性
    水頭症は非活動性となった水頭症
    の総称として解釈されているが, その中には
    水頭症
    を生ぜしめた原因が消退し, 髄液循環動態がほぼ正常になった真の停止性
    水頭症
    といえる状態と, またかつては進行性の
    水頭症
    であったものが正常では存在しない髄液の吸収機転などが生じ, 脳室の拡大の進行の停止した代償性
    水頭症
    とに区別することができる.
    停止性になりうる
    水頭症
    はincomplete CSF blockを示す交通性
    水頭症
    に比較的多くみられ, 脳室は正常または軽度拡大を示すものが多い. それに対し代償性
    水頭症
    はcomplete CSF blockを示し, 脳室が中等度以上に拡大した症例に多く, 正常圧
    水頭症
    と類似の病態のことがあり, 短絡管手術で改善されることがある.
  • 多変量解析による検討
    武藤 庫参, 三河 春樹, 奥野 武彦
    脳と発達
    1994年 26 巻 3 号 227-231
    発行日: 1994/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児, 乳児期発症の
    水頭症
    では発育期脳に特有の合併症が多いため, 病態の把握がしばしば困難である.本研究では, 1歳未満発症の
    水頭症
    21例に数量化II類による多変量解析を加え,
    水頭症の難治化に関わりの深い知的発達には水頭症
    の原因, 発症年齢, てんかん, シャント合併症の4カテゴリーの寄与が大きいことを見いだした.初回手術時年齢は発症年齢因子と相関しており, 難治化に関与する因子と考えられた.視覚, および体性感覚誘発電位についても同様に多変量解析を行ったが, 患児の背景因子, 合併脳損傷, 現在の発達状況を良く反映する結果で,
    水頭症
    の病態評価における誘発電位の有用性が示唆された.
  • 根来 民子, 渡辺 一功, 中島 佐智恵, 菊池 晴彦, 玉腰 暁子
    脳と発達
    1994年 26 巻 3 号 211-215
    発行日: 1994/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    昭和62~63年に施行された先天性
    水頭症
    全国疫学調査の結果, 先天性
    水頭症
    および生後1年以内に診断された続発性
    水頭症
    の年間受療患者数は3,200~3,500人と推定され, 出生1,000に対する発生率は0.6と計算された.二次調査の有効回答例1,331人を対象として以下の臨床疫学的検討を行った. (1) 正期産児と早期産児の疫学像の相違- 在胎週数37週未満の期産児は22.9%を占めた.正期産児では原発性
    水頭症
    が70.9%を占めたが, 早期産児では原発性および続発性
    水頭症
    の割合はほぼ同数であった.原発性の場合, 合併する中枢神経系奇形では神経管閉鎖不全は正期産児に多かった.続発性
    水頭症
    の原因では頭蓋内出血は早期産児に多く, 一方頭蓋内感染症は正期産児に多かった. (2) 近年の
    水頭症
    の傾向一出生年を4群に分けて比較した結果, 早期産児の割合は近年になるほど上昇し, 続発性
    水頭症
    の原因は近年になるほど頭蓋内感染症が減少し, 頭蓋内出血が増加した.手術合併症は近年になるほど減少していた. (3) 診断基準に基づいた難治性
    水頭症の特徴一調査研究班の作成した難治性水頭症
    の診断基準をあてはめると難治性群は35.5%となった.難治性群では続発性
    水頭症
    の割合が高く, 原発性の場合には高度の中枢神経系奇形を伴う場合に難治性群が多かった.手術合併症を伴う場合には難治性群が多く, 手術回数1回のみおよび発症から手術までの期間が1カ月未満の症例は非難治性群に多かった.
  • 鈴木 秀典, 桜川 宣男
    脳と発達
    1992年 24 巻 3 号 234-237
    発行日: 1992/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    髄液中のドパミンβ水酸化酵素 (DBH) を測定し,
    水頭症
    患者の脳内ノルアドレナリン動態を生化学的に検討した. 対象は主に進行期と考えられる患者 (5~74歳) 7例. 中枢神経症状のない小児 (5~11歳) の髄液を小児期の対照とした.
    水頭症
    患者のDBH活性は対照値より有意に上昇していた. ヘルペス脳炎による
    水頭症
    は, 進行期にDBH活性が上昇し, 腰椎穿刺による排液, 減圧療法により
    水頭症
    の進行が抑制されるのと並行して活性が下降する傾向が見られた. 以上より,
    水頭症
    の進行期には, 脳内のノルアドレナリン神経系活動は亢進していることが示唆された.
  • ―そのfollow-up studyよりの一考察―
    難波 真平, 本田 千穂, 西本 健, 石光 宏
    医療
    1982年 36 巻 5 号 425-434
    発行日: 1982/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    過去5年半における種々の原因による
    水頭症
    に対するシヤント(Sh)症例(V-P)60例, 及び脳室ドレナージ症例14例の術前後におけるCT所見, 病態などを分析し考察した. Sh症例のうち, 49例は正常圧
    水頭症
    と診断されたものであるが, Sh効果goodと考えられた29例(48%)では術後脳室は著明に縮小し, PVL(Periventricular lucency)もほとんど全例で消失した. これに対して, fair群, poor群では術前後における脳室の大きさ, PVLの変化は明らかでなかつた. このgood群と他群における差異の原因は, 前群の術後では立位の保持がほとんど全症例で可能であり, Sh valveにかかる圧差が大であつたためSh内の髄液流量が他群よりも多かつたためであろうと推測された. さらに急性期で脳室ドレナージが有効であつても, V-Pへの切り換えで諸症状がかえつて悪化する症例もあるので, このような場合にはCTによる観察を十分行いながら, V-A(Ventriculo-peritoneal shunt)への早期の切り換えなどの積極的な処置が必要であろうと考えられた.
  • 山崎 麻美, 坂本 博昭
    脳神経外科ジャーナル
    2006年 15 巻 2 号 114-120
    発行日: 2006/02/20
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル オープンアクセス
    倫理的にも臨床的にも未解決の問題が山積する胎児期
    水頭症
    の治療指針について論じた.出生前に診断され, 生まれるまでの時期に, 基礎疾患の診断, 出産時期と方法の決定, そして母親や父親に対する説明とカウンセリングを綿密に行う必要がある.胎児期
    水頭症
    に関しては早期治療が予後を改善するというエヴィデンスはなく, 特別な場合を除いて正期産の37週頃を想定し, 産科的適応により出産方法を決定するのが望ましい.治療は, 出産後に脳室腹腔シャント術(以下, シャント術)が第1選択である.シャント手術時の体重は2,000〜2,500g以上が望ましく, それ以下ではリザーバー設置術を施行し, 髄液排除を行いながら, 体重2,000〜2,500gを超えてから, 手術施行するのが一般的である.脊髄髄膜瘤に関しては, 修復後しばらくしてシャント術を行うのが一般的である.髄膜炎を併発していたり, 修復が遅れた場合は, いったん脳室ドレナージを置くことが望ましい.諸外国の胎児期
    水頭症
    の現状, 胎内治療の現状についても概説した.
  • 伊古田 俊夫, 鹿野 哲
    日本脳神経外科認知症学会誌
    2023年 3 巻 1 号 44-47
    発行日: 2023/02/01
    公開日: 2023/02/01
    ジャーナル フリー

    【目的】特発性正常圧

    水頭症
    (以下iNPH)の剖検例を報告した。

    【症例】75歳、男性。記憶障害、歩行障害、尿失禁が徐々に進行した。iNPHと診断し、脳室腹腔短絡術(以下V-Pシャント)を施行した。症状は大幅に改善したが、2年8カ月後、腎不全にて死去し剖検が行われた。

    脳実質では海馬に老人斑、神経原線維変化を軽度認めた。橋にラクナ梗塞跡を認めた。髄液系では上矢状静脈洞近傍クモ膜顆粒の退縮、線維化を認めた。炎症性変化は認めなかった。側脳室脈絡叢上皮細胞はほぼ正常に存在した。

    【結果、結論】iNPHの剖検例を報告した。クモ膜顆粒の退縮、線維化などの加齢的な変化を認め、病態を考える際、重要な所見と思われた。

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