脳卒中後など, 中枢神経後遺症における下肢機能につき, Cybex IIによる筋力発現機序と, POLGONによる歩容解析の両面から検討した. 脳卒中後片麻痺, 小脳性運動失調, 正常圧
水頭症
(NPH)を対象とし, 正常群, 各群間で, 筋トルク曲線の波形, 最大トルク, TRTD, TRFD, RITなどの値を比較したところ, 片麻痺群では最大トルクの低下, TRTD, TRFD, RITいずれも延長を示した. 一方運動失調では, トルク曲線のジグザグ化, RITのみの延長が認められ, NPHも類似の結果であつたが, 特にRITの延長が著明で, それぞれの病態で特異の傾向が示された. POLGONによる歩容曲線も正常型, 痙性歩行型, 運動失調型とそれぞれ特異なパターンを示したが, NPHにおいては, 運動失調型を最多に準正常型, 痙性歩行型も見られた. Cybex IIによる結果と一致し, NPHの歩行障害の機序として, 皮質下の下行路以外の複雑な伝導障害が示唆された. 又, Cybex II, POLGONいずれもリハ効果の客観的評価法として良い手段である.
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