当センターで長期に経過観察している二分脊椎患者43例の社会生活の現状と合併症を報告した.現在18歳以上の23名中, 職業を有し社会生活が自立している者は14名 (61%) だった.中・高校生では, 9名全員が養護学校に通学, 小学生では, 9名中3名が養護学校, 6名が普通学校に通学していた.社会生活が自立している者の85%が独歩可能だった.知能指数70以上の群が自立して職業に就いている者が多く, 70未満の群では作業所通所, 養護学校通学が多かった.排尿管理では, 自立した社会生活を送っている14名中9名 (64.3%) が自然排尿または圧迫排尿を行っており, 器具や特定の場所を必要とする自己導尿は3名 (21.4%) にとどまっていた.自立した社会生活を送るためには, 障害の重さだけではなく, 社会での受け入れが重要である.
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