1) 受精日を同じくするアユの仔魚に, ふ化後の日をずらしてA
池
: 30日目, B
池
: 70日目, C
池
: 110日目から40日間電照した。
2) 各池とも順調に成長したが, ただ, 50日目から70日目まではほとんど成長が停止し, とくに電照区では平均値がやや低下した。
3) ふ化後130日目までは成熟は徐々に進んでいたが, その後は長日処理時期により早熟魚の出現状態は全く異なった。
4) 腹鰭の長さで雄の判別が可能になった時期は, A池では電照終了後80日目, B池では60日目, C池では40日目であった。
5) 仔魚期の長日処理の影響は, ふ化後日数の経過した区ほど光に感応する個体の数が多く, 反応の速さも早くなると思われた。
6) 完熟雄の体表の黒色化はA
池
: 8.6%, B
池
: 41.4%, C
池
: 16.1%で, 成熟に伴う外部形態の発現機序が異なることが伺われた。
7) アユには光刺戟不感受期があって, その限界の大きさは0.04g程度と思われた。
8) 前記2) の成長がほとんど停止した時期は, 多くの個体が光刺戟不感受期を脱する時期と合致することから, 生理的条件に内的の飛躍的な発達が要求されて, 外的な表象である成長は一時的に停止に近い状態になったものと思われた。
抄録全体を表示