Kretschmer 性格分類法を應用して性格の遺傳研究を試み次ぎの如き事實が判明した。
1 Kretschmer の性格分類法は 學問的に信用を置く事が出來る。
2 性格は遺傳性のもので, 環境の影響に就てはあらゆる角度から説明が出來る。
3 Zykloid と Schizoid との間には Depressivesfaktor が存在し, Schizoid では Zykloid よりも弱く作用す。
4 Zykloid は Schizoid に對して優性に作用す。
5 兩性格は伴性遺傳をなさず。
6 且つ母力は父力よりも 1.1-1.2倍位い強く作用す。
7 Zykloid は三個の優性遺傳因子, Behaglichkeitsfaktor と Anpassungs- 及び Depressivesfaktor によつて構成され, Schizoid は此等に對する三個の劣性遺傳因子 Peinlichkeitsfaktor と Negativistischesfaktor 及び Depressivesfactor によつて構成される。
8 即ち性格は三對因子によつて出來上るものにして此れが種々組合されて遺傳するのである, 故に性格もメンデル遺傳法則に從ふ事實が明白となつたのである。
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