詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "河口恭吾"
1件中 1-1の結果を表示しています
  • ―ジャパニーズ・ロックを事例として―
    飯塚 深久, 池庄司(大島) 規江
    地理空間
    2023年 16 巻 1 号 21-43
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/16
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は空間的広がりを持たない文字テクストのうちジャパニーズ・ロックの歌曲を対象として,「まち」という舞台(空間)がいかなる情緒や想いと結びついているのかについて,記号表現というシニフィアンと記号内容というシニフィエの二つに焦点を当てながら分析を試みた。その際,研究対象時期を2000年以降とし,2000年代と2010年代に区分して,BʼzとMr.Childrenの全歌曲について分析・考察した。分析の結果,2000年代においてはBʼzの歌曲タイトルという記号表現と「まち」表現とが結び付いていないこと,他方,Mr.Childrenの歌曲タイトルは「まち」と何らかのかたちで結び付いた記号表現として出現していることが明らかとなった。また,記号内容としての歌詞の分析からは,BʼzとMr.Childrenに共通して,倦怠感や孤独感といったネガネティブな感情を持ちながら「まち」で生活する様子を綴っている。そうしたネガティブな感情に立ち向かう意思や自らを鼓舞するかのような表現も両グループの歌詞に通底している。2010年代になると,両グループともに歌曲のタイトルの付し方に変化が見られるが,2000年代と変わらず,Bʼzのタイトルでは「まち」表現との関連が弱いこと,そしてMr.Childrenのそれでは日本語タイトルが「まち」表現の記号表現として働いていることが改めて確認された。一方の記号内容としての歌詞分析からは,両グループともに,2000年代に見られた倦怠感や孤独感といったネガティブな雰囲気を纏った歌詞が消えた。また,Bʼzの「まち」表現の曲においては過去・現在・未来のいずれかを歌っている一方で,Mr.Childrenのそれにおいては現在・未来のいずれかに想いを馳せるかのような歌詞となった。
feedback
Top