平成の大合併を経て、行政区域が広がりつつあるなか、地域住民が地域の課題解決のために自律的に集まり、行動していくような住民自治の在り方が模索されている。そして、このような住民の自治的な行動を考える上では、地域共有の場となり得る空間は重要な意味を持つ。本稿では、村櫛酒販売所を対象として、コミュニティ財の運用と情報交流の仕組みに着目し、地域共有の場としての酒場の機能を明らかにする。そのうえで、住民自ら地域共有の場を経営していく知見を得ることを目的とし、コミュニティ財の運用の蓄積によって「酒場」が地域住民に浸透してきたこと、および「酒場」における情報交流の仕組みを明らかにした。そのうえで、住民自ら地域共有の場を経営していく可能性を考察する。
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