本研究では、コンテンツ産業におけるインターネット配信について、それらがパッケージ製品販売数に与える影響を、補完効果と代替効果という観点から理論的に整理する。そして、
深夜アニメ
市場の需要モデルを用いた実証分析によって、定量的な検証を行う。
作品をグループ、エピソードを系列とした固定効果法推定の結果、無料配信の補完効果は代替効果より大きく、パッケージ製品販売数に対して有意に正の影響を与えていた。そして、その大きさは、無料配信動画再生回数が1%増えるとパッケージ製品販売数が約0.10%増加するというものであった。また、有料配信は有意な影響を与えていなかった。このことから、少なくとも
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市場については、インターネット配信を積極的に行うことが、生産者余剰と社会的厚生の増加に繋がることが確認された。
さらに、詳細な分析の結果、男性向作品では無料配信、有料配信共に有意に正の影響を与えていた一方で、女性向では共に有意な影響がなかった。そして、オリジナル作品と人気作以外では無料配信が有意に正の影響を与えていた一方で、オリジナル作品以外と人気作では無料配信も有料配信も有意な影響を与えていなかった。
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