原子炉を含む種々の工学システムや多くの自然現象の中で発生する2相あるいは3相, または2成分あるいは多成分からなる瞬時流れのことを
混相流
と呼びます。
混相流
は, 相間界面の存在や界面を通しての質量, 運動量, エネルギー輸送によって特徴付けられます。この「界面」の存在によって,
混相流
の物理的, 数学的モデル化は非常に複雑となり, 理に適った実験的, 解析的戦略なくしては, 到底, 遂行が困難な数限りない研究課題が存在します。私は, この非常に興味深く, 難解な研究分野で35年以上研究を行ってきました。本稿では,
混相流
の概念的な理解, 技術的な研究手法に加えて, 研究の過程で遭遇した幾多の困難を含む経験から, 私の初期の研究を手短に紹介したいと思います。
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