本研究では, 軌道条例を準拠法として開業した東京の京成電気軌道, 京王電気軌道, 京浜電気鉄道の各鉄道会社が, どのような背景のもとで地方鉄道へと転換していったのか, さらにそれらが東京の拡大にどのように影響を与えたのかについて, 実証的な分析を試みた。その結果, 地方鉄道補助法の成立によって専用軌道の建設が容易となり, 東京の拡大という需要に対応が可能であったこと, こうした地方鉄道への転換が東京の拡大を助長したこと, それによって各社が郊外鉄道としての性格を色濃くしていったことが把握できた。
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