この研究の目的は, 笑いを生じる3種の刺激の特徴を比較することである. 判別分析の結果, 落語と
漫才
は非常に対照的, テレビのCMはその中間にくることがわかった. 被験者によって評定された各刺激のおかしさの点数を2側面から分析した. まず, 各被験者の点数についてみると,
漫才
と落語,
漫才
とCMの間には有意な相関がみられた. 次に各刺激において全被験者の評定点平均値と各被験者の評定点との一致度を調べてみた. 落語と
漫才
, 落語とCMの間に有意な相関がみられた. 平均値に近い評定をした被験者は, ユーモアのセンスがあると考えられる. 以上の結果から, よく笑う人かどうかをみるには
漫才
を聴かせるのがよく, ユーモアのセンスがあるかどうかをみるには落語を聴かせるのがよいといえる.
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