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Being a writer during the Sino-Japanese War meant to admit the absurdity of accepting the authority and of being accomplice. Hino, who started his literary life during this period, was completely unconscious of the guiltiness of his own position. The result was, in spite of his independence and humanism as a writer, that he described his absurdity of complicity with the authority that had started the war. His Trilogy of the Soldiers straight for wardly presents this absurdity during the Sino-Japanese War. The tragedy in Hino's literary life is that he was almost completely unaware of the guiltiness of his position as a writer and lived a very subjective life rather than that he showed the affirmative attitude toward the war in his novels.

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満州事変勃発以降『新潮』等の「純文学」の領域では「大衆文学」論が盛んになるが、「北支事変」勃発以降は〈銃後〉が〈前線〉に文学的アウラを「発見」するという言説モードが浮上する。一九三〇年代末には火野葦平や上田広等の「帰還作家」と「純文学」側との応答が「戦争文学」論として展開され、〈前線〉〈銃後〉の接続が擬似的に創出される。更に「帰還作家」の言葉の「空白」にこそあるべき〈理念的文学リテラシー〉が投影されるという転倒した事態が起きる。〈文学〉の生成において〈戦争〉が重要な要素として召喚される歴史的過程をそこに見出すことができる。対して『大衆文芸』等の「大衆文学」の領域では棟田博等の「帰還作家」の戦闘体験が強調され、〈前線〉と読者とのダイアローグ的な言説の構造が浮上する。『サンデー毎日』誌上でも〈前線〉〈銃後〉を超越的に接続する物語や「慰問」言説・表象の中に〈消費的文学リテラシー〉が発動していた。

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本稿は、日中十五年戦争下での文学を、今多く語り出されている一兵士の侵略体験の手記、中国にいて、日本軍に向けての反戦運動を展開した人々の、文学、手記をも含めて、総体的に検討する見通しの中で、その手始めとして、石川達三の『生きてゐる兵隊』のリアリズムへの評価、火野葦平、上田広の諸作品の、歴史的事実との関連での反リアリズムの問題、鹿地亘の作品の、在中国での独特な体験の文学化への評価などについて、論じてみたものである。

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　戦後日本の文学，思想，映画，サブカルチャーなどの諸テクストに関心を寄せる者なら，それらのテクストに第二次世界大戦の巨大な影がしばしば見て取れることはすぐにわかる．〈先の大戦〉にかかる言葉やイメージは，日本語の言説の中に巨大なアーカイブを構成してきた．しかし，そのアーカイブは明らかな偏りを抱えている．奇妙なことに〈先の戦争〉をめぐる日本社会の集合的記憶は，アジアで戦われた戦争，とりわけ8年間に及んだ中国大陸での戦争をほとんど欠落させているのである．

　20世紀の日中戦争は，確かに過去の戦争である．だがそれは，敗戦後の日本社会がその記憶を十分に社会化・公共化してこなかった戦争でもある．東アジアの国際的な環境が1990年代以降最悪の状態にあると見える現在，日本語による戦争記憶のアーカイブを振り返り，現在の立場からその経験の語りと表象を問い直すことは，喫緊の重要性をはらんでいる．

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