金属酸化物粉末を充てんした金属管の周囲に爆薬をおきこれを上端から爆轟させ,そのとき発生する衝撃圧力を利用して管内の粉末を圧搾した.その結果は次のようである.
1)金属酸化物粉末はこの方法により高密度圧搾体の棒状試料とすることが可能である.
2)えられた圧搾体の密度は厳密には均一とは言えないが,その密度は焼結品の80%以上に達する.均一な圧搾体をうるには大形圧搾体をつくり,その一部を切り出せばよいと思われる.
3)金属酸化物粉末の中には成形性の悪い粉末(CdO,TiO
2,BaTiO
3など)があり,その中の一部(たとえばBaTiO
3)などはパインダを混入しても成形できなかった.
4)圧搾された酸化物粉末の中には,圧搾体の軸方向に中心孔を,径方向には放射状,または同心円状のクラックを伴うものがある.これをなくするためには各粉末について最適な圧搾条件を求める必要がある.
5)圧搾時にはかなり高温になると推定されるが,X線回折法により検討した結果,粉体粒子間での化学変化は認められなかった.
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