本研究においては14L:10D光周期と恒明条件下のウズラの産卵率と放卵リズムに及ぼす
照度
の影響を追究した。20週齢の産卵中のウズラ144羽を等しく4区に分け,2区(14L-H区及び14L-L区)に対しては14時間明,10時間暗(14L:10D,午前5時点灯,午後7時消灯)光周期を,他の2区(24L-H区及び24L-L区)には恒明条件を与えた。実験期間は8週間で,どの区も,前半4週間は69-104 Luxの中
照度
に,後半4週間については,14L-H区及び24L-H区は2055-2152 Luxの高
照度
,また,14L-L区及び24L-L区は2-3 Luxの低
照度
にし,実験期間中の産卵率と放卵リズムを個体別に調べた。
中
照度
下の産卵率は,14L:10D光周期下では89-90%,恒明条件下では82-88%であった。
照度
変更後,14L-H区の産卵率は中
照度
より4%高くなった(P<0.05)が,14L-L区は中
照度
より24%低くなり(P<0.01),
照度
変更後10-14日目から休産し換羽する個体が続出した。恒明条件下では
照度
変更後も産卵率は変わりがなかった。このように,ウズラの産卵に対する
照度
の影響には明らかに光周期による相違が認められた。14L:10D光周期下の高
照度
(14L-H)では放卵間隔は短縮され,放卵は明期の後半に強く集中して見られた。一方,低
照度
下(14L-L)では,放卵間隔は長く,放卵時間も分散した。この結果から,14L:10D光周期下では高
照度
は放卵リズムを日周期に強く同調させるが,低
照度
は低下させることがわかった。恒明条件•中
照度
下において,放卵リズムは日周期に同調せず,周期(FRP)が26.2-26.7時開の自由継続リズムを示した。恒明条件下の高
照度
(24L-H)は放卵間隔を延長させ,低
照度
(24L-L)は逆に短縮させたので,ウズラの放卵リズムはAschoff'sruleに適合せず,一般的な生物リズムとは性質の異なるリズムであると推論された。
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