詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "煮こごり"
88件中 1-20の結果を表示しています
  • ―種々の加熱条件下でのゲル化における溶出成分と力学的性質の変化―
    永塚 規衣, 大川 祐輔, 木元 幸一, 長尾 慶子
    日本家政学会誌
    2006年 57 巻 7 号 453-460
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/12
    ジャーナル フリー
    魚の煮汁を冷やして得られた “
    煮こごり
    ” は, 日本の伝統的な料理である. 本研究では魚の代わりに鶏手羽先を材料として加熱温度及び加熱時間を変化させた煮汁から得た “
    煮こごり
    ” ゲルを調製し, ゲル化及び溶解過程における動的弾性率の変化並びにゲルの破断応力を測定し, 物性の変化を追跡した. さらに, SDS-PAGE, サイズ排除クロマトグラフィーにより溶出たんぱく質の分子量分布並びに抽出コラーゲン量の変化を微視的に追跡した. 鶏手羽先から得た “
    煮こごり
    ” は高温長時間加熱により硬いゲルを形成し,
    煮こごり
    ゾル中に含まれるたんぱく質は熱加水分解により, 加熱時間の経過に伴い低分子化していることが明らかとなった.
  • 材料及び調理条件の影響について
    永塚 規衣, 海宝 朝実, 倉内 真友美, 松下 和弘, 仁科 正実, 長尾 慶子
    日本食生活学会誌
    2005年 15 巻 4 号 247-252
    発行日: 2005/03/30
    公開日: 2011/01/31
    ジャーナル フリー
    煮こごり
    ”の材料及び調理条件がゲル化に及ぼす影響を明らかにするために, pH測定, 透過色測定, レオメーターによる力学的測定及びNMRによるスピンー格子緩和時間(T1)の測定を行い, 得られた知見を以下にまとめた。
    1)
    煮こごり
    となる食材の種類及び加熱時間や添加調味料などの調製条件が
    煮こごり
    の物性に影響を与えることが明らかとなった。魚(まこがれい)は短時間加熱でゲル化し, 加熱時間20分を境にゲル強度は低下した。豚すね肉は魚よりもより強固なゲルを形成し, 加熱時間90~120分で最大となった。鶏手羽先は魚と同様, 加熱初期からコラーゲンが溶出されやすく, 加熱時間の経過とともにより強固なゲルを形成した。一方, 骨, 皮部を含まない牛すね肉は240分までゲル化が観察されなかった。
    2) ワインビネガー, 醤油, 酢などの調味料を添加することで,
    煮こごり
    のゲル強度は高くなった。これは, 溶液のpH, 酸及びポリフェノールが肉の結合組織に作用し, コラーゲソを溶出させやすくすると推測された。
    3)
    煮こごり
    ゲル試料の水分子の自由度にはコラーゲソ以外の他の物質との相互作用も関与していることが推察された。
  • *小松 あき子, 永塚 規衣, 魚谷 益三, 原田 和樹, 長尾 慶子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集
    2008年 20 巻 2D-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/08/29
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】
     我々はこれまでに未利用資源の有効利用を目的に魚類の未利用部位を材料として日本の伝統食品である“
    煮こごり
    ”を調製し、物性、嗜好、健康機能面からの検討を行ってきた。今回は、
    煮こごり
    調製後の二次廃棄物(残渣)を調理加工用副素材として再利用することを考え、“
    煮こごり
    残渣”の抗酸化能測定と官能評価から食品への活用を検討した。
    【方法】
     鮭の頭を材料として、対照の水煮“
    煮こごり
    ”試料並びに醤油、砂糖で味付けした調味料添加“
    煮こごり
    ”試料を調製した。次いで、これら
    煮こごり
    調製後の残渣並びに未加熱の鮭の頭を凍結乾燥後粉末にし、水及びエタノールで水溶性及び脂溶性成分を抽出した。これら各試料のペルオキシラジカル捕捉活性を化学発光(ケミルミネッセンス)法を用いて測定した。抗酸化能の評価として、発生した上記ラジカルの半分量を除去する試料濃度のIC50値(%)を用いた。さらに、残渣を用いて胡麻並びにシナモンを添加したパウンドケーキを焼成し、本学調理科学研究室員をパネラーとして官能評価を行った。味、匂い、歯ざわりの各項目についての5段階評価並びに嗜好性を順位法により評価した。
    【結果】
     二次廃棄物である“
    煮こごり
    残渣”のIC50値は、水溶性成分抽出液で5.49、脂溶性成分抽出液で5.17となり、未加熱試料のそれよりもラジカル捕捉活性の低下が観察された。しかし、“
    煮こごり
    ”試料と同様、醤油が添加されると“残渣”のペルオキシラジカル捕捉活性は水溶性成分抽出液1.46、脂溶性成分抽出液2.64となり、増強されることが明らかとなった。これら残渣を用いたパウンドケーキの官能評価から、胡麻添加のケーキは魚臭をマスキングし、総合的に好まれる評価が得られた。
  • *永塚 規衣, 佐藤 久美, 原田 和樹, 安藤 真美, 長尾 慶子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集
    2006年 18 巻 P-15
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】我々はこれまでに、廃棄物である魚のあら及びうろこの再利用を目的とした“
    煮こごり
    ”を調製し、水産物コラーゲンの利用と嚥下食への応用を踏まえたゲル状嚥下食品“
    煮こごり
    ”の調理特性について検討してきた。今回は魚類の未利用部位調製“
    煮こごり
    ”の抗酸化能に注目し、化学発光法を用いてペルオキシラジカル捕捉能の測定を行った。
    【方法】“
    煮こごり
    ”材料はまこがれい、鰤及び鰤のあら、鯛のあら及びうろこ、鮭の頭を用いた。厚生労働省規定による高齢者用食品のかたさ基準を満たすゲル強度の“
    煮こごり
    ”を得ることを目的として、各材料を角切りにし、材料に対して適量の水を加え、蒸発水分を補いながら一定時間加熱し、ろ過して試料を調製した(対照試料)。さらに日本の伝統的な調味料である醤油で調味(10%)した試料も調製し(醤油添加試料)、それらのペルオキシラジカル捕捉能の測定を行った。抗酸化能の評価には、発生した上記ラジカルの半分量を除去する試料濃度を示すIC50値を用いた。
    【結果】いずれの対照試料も高いペルオキシラジカル捕捉能があることが明らかとなった。コラーゲンそのものは活性酸素を防御すると言われているが、今回の実験結果からも、“
    煮こごり
    ”由来のコラーゲンはペルオキシラジカル捕捉能に大きく寄与していることが推測された。また、発酵調味料である醤油には高い抗酸化能があることが報告されているが、魚類の未利用部位から調製した“
    煮こごり
    ”においても醤油を添加するとペルオキシラジカル捕捉能が増強されることが明らかとなった。さらに、これら醤油添加試料は魚臭のマスキング効果が大きく、官能検査において総合的に好まれる結果が得られた。
  • *永塚 規衣, 河村 フジ子, 長尾 慶子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集
    2003年 15 巻 1B-a4
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/09/04
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    煮こごり
    は日本の伝統的な寄せ物料理であり、煮汁中に種々の成分が溶出する為、栄養的にも優れていると考えられる。本研究では、今までのゼラチンの基礎的研究を土台として、特に煮汁に溶出したコラーゲンの可溶化と調味料との関係に注目し、各種調製条件の違いが
    煮こごり
    の物性に及ぼす影響について検討した。
    【方法】材料は牛肉、豚肉、鶏肉を用いた。それぞれ約1cm角切り50gに6割の水(30ml)を加えて600Wの電熱器で加熱、沸騰後の火加減を300Wに調節して、10_から_120分の定時間加熱した。加熱終了後、各試料をろ過し、煮汁が30mlとなるように調製した。各試料ゾルの透過色、pH、動的粘弾性、NMRの測定を行った。次いで各試料を内径32mm、高さ15mmのペトリ皿に分注し、冷蔵庫で24時間保存してゲル化させ、破断特性を比較した。上記材料のうち、鍋物調理に一般的な鶏肉を取り上げ、調味料添加の影響を検討した。砂糖、醤油、酢など調味料は内割りで煮汁の10%添加し、測定方法は上記と同様に行った。
    【結果】
    煮こごり
    の材料によりゲル化の状況に違いが見られ、特に牛肉は
    煮こごり
    ゲルを形成しにくかった。
    煮こごり
    の滑らかな口当たりは、肉基質たんぱく質であるコラーゲンが分解して得られたゼラチンのゲル化強度によるところが大きいといわれていることから、各種材料(牛肉、豚肉、鶏肉)のたんぱく質中のコラーゲンの結合の仕方が異なると推測される。また、鶏肉の加熱実験においては部位による
    煮こごり
    のゲル形成に差が見られた。さらに、調味料を加熱初期から添加した場合と加熱途中で添加した場合との間でも
    煮こごり
    の物性が異なることが明らかとなった。
  • *佐藤 久美, 久米谷 寛子, 永塚 規衣, 長尾 慶子
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
    2006年 58 巻 2Ea-10
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/02/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】我々はこれまでに材料及び調製条件の異なる
    煮こごり
    を調製し、煮汁中に溶出したコラーゲンの可溶化の程度を
    煮こごり
    の物性面と合わせて微視的に追跡してきた。今回は廃棄物である魚のあら及びうろこの再利用を目的とした“
    煮こごり
    ”を調製し、その調理特性について検討を行った。
    【方法】鯛のあら(皮・骨・頭・尾・内腹部)及びうろこは解体後の新鮮なものを魚専門店より購入し、直ちに小分けして冷凍(-50℃)保存し、その都度必要量を低温(5℃)解凍して用いた。あら100gに水60gを加え、10_から_90分までの定時間加熱し、ろ過後の煮汁を60gとなるように調製した。一方、うろこは50gに水100gを加え、あらと同様に定時間加熱し、煮汁が100gとなるように調製した(対照の水煮試料)。さらにうろこ特有の生臭さをマスキングするために、加熱初期から酒、醤油、酢を各々内割りで10%添加した(調味料添加試料)。各試料ゾルの透過色、pH、動的粘弾性及び電気泳動による分子量分布を測定した。冷蔵庫で24時間保蔵した
    煮こごり
    ゲルの力学試験及び官能試験を行った。
    【結果】あらの水煮試料は短時間加熱で硬いゲルを形成したが、うろこは長時間加熱でも硬く安定したゲルが得られた。上記調製条件により得られた
    煮こごり
    ゲルの硬さはいずれも咀嚼困難者用基準の範囲にあった。ゲルの動的弾性率は破断試験結果と同様の傾向が観察された。一方、調味料添加試料は調味料の種類によりゲルの物性が異なることが明らかとなった。特に食酢添加試料は対照に比べ溶液のpHが低く、短時間加熱で低分子化が見られ、硬いゲルを形成した。醤油の添加はうろこ臭のマスキング効果が大で好まれた。
  • ―調味料添加の影響について―
    永塚 規衣, 大川 祐輔, 木元 幸一, 長尾 慶子
    日本食生活学会誌
    2006年 16 巻 4 号 320-326
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/04
    ジャーナル フリー
    “Nikogori” extracted from cooked fish or meat has been noted as an easy-to-eat food for old aged people and those with medical problems associated with swallowing. The unique texture of “Nikogori” is the source of its good taste.
    We investigated the effects of adding seasonings (soy sauce, rice vinegar, wine vinegar, milk and mayonnaise) and changes in the processing of “Nikogori” made from chicken on the physical properties of “Nikogori”.
    We examined the rheological properties of “Nikogori” using dynamic viscoelasticity, rupture characteristics, lightness, pH, 17O-NMR data and microscopy. Also, the relationship between the change in the quantity of collagen and the molecular weight distribution of the gelatin was studied by electrophoresis.
    As a result, the mechanical properties of the “Nikogori” were found to be dependent on the presence of the seasonings, such as wine vinegar, rice vinegar or mayonnaise.
    We found that the pH and fats of the solution had an influence on the solubilization of the collagen and gelation. When meat was heated in a low pH solution (adding wine vinegar or rice vinegar), the collagen was eluted very well, turned into gelatin and formed stronger gels.
    On the other hand, when mayonnaise was added to the “Nikogori”, they formed weaker gels. When we prepared a model gel with added fats, it formed weaker gels and its spin-lattice relaxation times (T1) based on the 17O-NMR data tended to be shorter as the molecular motion in the solution was retarded.
  • 永塚 規衣, 原田 和樹, 安藤 真美, 長尾 慶子
    日本調理科学会誌
    2007年 40 巻 3 号 179-183
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    各種の材料を変えた“
    煮こごり
    ”を調製し,調味料として濃口醤油を加えた場合のラジカル捕捉能を比較検討した。次に,魚のマコガレイを材料として,添加する醤油の種類を濃口醤油,淡口醤油,溜り醤油,白醤油,魚醤油3種と変えた場合の
    煮こごり
    のラジカル捕捉能を比較した。測定には化学発光(ケミルミネッセンス)法を用いて,活性酸素の中でも体内における損傷が特に大きいとされるペルオキシラジカル捕捉能を検討した。
    その結果,いずれの水煮“
    煮こごり
    ”試料も高いペルオキシラジカル捕捉能を有しており,そのラジカル捕捉能は醤油を添加することでさらに増強されることが明らかとなった。また,マコガレイを材料として,添加する醤油の種類(濃口醤油,淡口醤油,溜り醤油,白醤油,魚醤油3種)を変えた“
    煮こごり
    ”のラジカル捕捉能について比較検討した結果,小麦を主原料とする白醤油を除いた他の醤油添加“
    煮こごり
    ”にペルオキシラジカル捕捉能が認められた。特に大豆を主原料とする溜り醤油や濃口醤油の添加効果が高いことが明らかとなった。
  • 永塚 規衣
    日本調理科学会誌
    2011年 44 巻 2 号 107-113
    発行日: 2011年
    公開日: 2014/07/25
    ジャーナル フリー
  • *永塚 規衣, 前田 俊道, 福村 明子, 原田 和樹, 長尾 慶子
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
    2008年 60 巻 3B8
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/10
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】「
    煮こごり
    」を調製する際に醤油が存在すると、化学発光(ケミルミネッセンス)法で調べたペルオキシラジカル捕捉活性能が増大する事を既に報告した1)。今回は、同様の条件で、醤油が「
    煮こごり
    」の脂質酸化を抑制するかを調べ、ペルオキシラジカル捕捉活性が脂質酸化抑制に寄与するか否かを検討した。
    【方法】未利用資源を活用するために、ブリの「あら」を材料に、60wt%の水で2時間加熱したものを対照とした。また、醤油を内割で10wt%添加したものも同様に調製した。それらの0時間放置試料と24時間常温放置試料を測定に用いた。これら各試料の脂質をジブチルヒドロキシトルエン入りクロロホルム/メタノール溶液で抽出し、TBA法で、テトラメトキシプロパンを標準として、脂質1 mg 当たりの酸化度を求め、TBARS(TBA反応物質量、nmol)で表した。
    【結果】対照の0時間放置試料では脂質酸化度が0.52±0.08 nmol/mgであったが、24時間常温放置試料では1.02±0.14 nmol/mgまで酸化が進んだ。一方、醤油が存在するとそれぞれ0.36±0.07 nmol/mgと0.55±0.14 nmol/mgとなり、ブリあらの「
    煮こごり
    」の脂質酸化は約2/3と約1/2に抑制された(いずれもp<0.05)。また、ペルオキシラジカル捕捉活性能も醤油添加により7.7~9.8倍に増大したことから、
    煮こごり
    の脂質酸化抑制への寄与が示唆された。本研究は、平成19年度東京家政大学生活科学研究所総合研究プロジェクトの一環として遂行された。1) Nagatsuka et. al.: Int. J. Mol. Med., 16, 427-430, 2005.
  • ―残渣入りパウンドケーキの嗜好性と抗酸化性の検討―
    永塚 規衣, 小松 あき子, 原田 和樹, 長尾 慶子
    日本調理科学会誌
    2009年 42 巻 6 号 404-409
    発行日: 2009年
    公開日: 2014/12/26
    ジャーナル フリー
    廃棄物のゼロミッションに貢献するために,鮭の頭から“
    煮こごり
    ”を調製した後の残渣を再び食品に活用しようと試みた。残渣を添加したパウンドケーキを焼成し,本学調理科学研究室の学生・職員29名に対しての官能評価並びに活性酸素のペルオキシラジカルの捕捉活性を測定した。
    その結果,醤油・砂糖で味付けした
    煮こごり
    残渣中には高いペルオキシラジカル捕捉活性が残存していたが,その残渣を添加したパウンドケーキの嗜好性並びにペルオキシラジカル捕捉活性は残渣添加量を8 wt%,20 wt%と増加しても有意差はなく同程度であった。残渣に黒ゴマを添加したパウンドケーキの官能評価を行ったところ,魚臭がマスキングされ,総合的に好まれる結果が得られた。また,ペルオキシラジカル捕捉活性も残渣のみのパウンドケーキに比べてゴマ添加により有意に増強されることが明らかとなった。
    以上の結果から,“
    煮こごり
    ”残渣は単独利用よりも調味料や副材料と上手く組み合わせることで,栄養・嗜好性並びに抗酸化性に優れた食品として再利用できる可能性が示唆された。
  • 山崎 歌織, 外西 壽鶴子, 加藤 和子, 河村 フジ子
    日本調理科学会誌
    2000年 33 巻 1 号 31-36
    発行日: 2000/02/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    We examined the effects of ingredients and boiling time on the quality of Nikogori.
    The boiling time for making the firmest gel with yellowtail and Pacific cod was shorter than that with chicken wings. The firmest Nikogori was that formed from chicken wings, being firmer than that from yellowtail, while the gelling of broth from Pacific cod was very poor.
    Gel made from chicken wings was relatively stable during long-term boiling. However, those from yellowtail and Pacific cod gradually became soft by boiling for more than 30 minutes.
    The transparency of the broth decreased with increasing boiling time, and the amount of protein in the broth increased with yellowtail and chicken wings.
    Proteins in the broth contained the gelatinous molecules forming Nikogori, as well as unidentified proteins hindering the gelation process.
    The gelatinous molecules in the broth were changed to those of low molecular weight by long-term boiling so that the Nikogori became soft.
  • *永塚 規衣, 原田 和樹, 安藤 真美, 長尾 慶子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集
    2005年 17 巻 1C-a6
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/09/13
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】我々はこれまでに、
    煮こごり
    を調製する際の食材、温度、時間、pHなどの種々の調製条件が製品の物理特性に及ぼす影響について調理学的視点から検討してきた。今回は日本の伝統的調味料である醤油を添加して調製した
    煮こごり
    の抗酸化能に注目し、電子スピン共鳴(ESR)法及び化学発光(ケミルミネッセンス)法を用いてヒドロキシラジカル及びペルオキシラジカル捕捉活性能の測定を行った。
    【方法】
    煮こごり
    材料は鶏手羽先、牛すね肉、まこがれい、ぶり、さば、するめいかを用いた。各材料を約1cm角切りにし、材料に対して60%の水を加えた中で加熱温度を100℃にして蒸発水分を補いながら一定時間加熱し、ろ過して試料を調製した(対照試料)。さらに醤油(10%)で調味した試料を調製し、それらのヒドロキシラジカル及びペルオキシラジカル捕捉活性能の測定を行った。抗酸化能の評価には、発生した上記ラジカルの半分量を除去する試料濃度を示すIC50値を用いた。
    【結果】対照試料におけるヒドロキシラジカルのIC50値は1.2から2.4%、ペルオキシラジカルのIC50値は0.3_から_0.8%で、いずれの試料も高いヒドロキシラジカル及びペルオキシラジカル捕捉活性能があることが明らかとなった。コラーゲンそのものは活性酸素を防御すると言われているが、今回の実験結果から、
    煮こごり
    由来のコラーゲンはヒドロキシラジカル及びペルオキシラジカル捕捉活性能に大きく寄与していることが推測された。発酵調味料である醤油には高い抗酸化能があることが報告されているが、各種対照試料に醤油を添加するとペルオキシラジカル捕捉活性能が最高6.7倍に増強されることが明らかとなった。
  • *永塚 規衣, 井上 三菜子, 原田 和樹, 安藤 真美, 魚谷 益三, 長尾 慶子
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
    2007年 59 巻 F2-19
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/02/26
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】我々はこれまでに嚥下食への応用を踏まえたゲル状嚥下食品“
    煮こごり
    ”の調理特性について検討してきた。今回は、通常では廃棄される鮭の頭の有効利用を目的に、鮭の頭を材料として調製した“
    煮こごり
    ”について、高齢者用食品に適する硬さが得られるゲル状嚥下食品としての調製条件を確立し、化学発光法を用いてペルオキシラジカル捕捉活性能の測定を行った。
    【方法】鮭の頭を角切りにし、60%の水を加え、蒸発水分を補いながら一定時間(10、20、30、60分)加熱後、ろ過して試料を調製した(対照水煮試料)。さらに醤油、砂糖で味付けした調味料添加試料も同様に調製し、これらのペルオキシラジカル捕捉活性能を測定した。抗酸化能の評価として、発生した上記ラジカルの半分量を除去する試料濃度と定義されたIC50値を用いた。さらに、これら試料を冷蔵庫(5℃)で24時間保蔵してゲル化させた試料について本学調理科学研究室員20名をパネラーとして官能評価を行った。硬さ、べたつき感、飲み込みやすさ、ざらつき、におい(魚臭)の項目についてカテゴリー尺度法による7段階評価を行い、さらに、嗜好性を順位法により検討し、総合的に評価した。
    【結果】鮭の頭を材料として調製した“
    煮こごり
    ”は、IC50値が1.34%のペルオキシラジカル捕捉活性能を有することが明らかとなった。これは可食部の魚の切り身部分のIC50値(ブリ:0.66%、マコガレイ:0.53%)の約1/2のペルオキシラジカル捕捉活性能を有し、醤油を添加することによりIC50値は0.13%に増強された。官能検査においても醤油単独添加ならびに醤油+砂糖添加試料は魚臭をマスキングし、総合的に好まれる評価が得られた。
  • *永塚 規衣, 倉内 真友美, 長尾 慶子
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
    2005年 57 巻 2Ea-1
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】昨年度の調理科学会大会において、加熱時間及び加熱温度を変えて調製した
    煮こごり煮汁中に溶出したコラーゲンの可溶化の程度を煮こごり
    の物性面と合わせて微視的に追跡した。今回は、各種の和・洋調味料を添加して調製した
    煮こごり
    の物理特性に及ぼす影響を特にpH及び脂肪面から検討した。
    【方法】試料の鶏手羽先を約1cm角切りにし、50gに全面が水に浸る水量30gを加え600Wの電熱器で加熱、沸騰後火力を300Wに調節して、10分_から_120分までの定時間加熱した。加熱終了後、試料をろ過し、煮汁が30mlとなるように調製した(対照水煮試料)。同様に食酢、ワインビネガー、醤油、塩、牛乳及びマヨネーズの調味料をそれぞれ煮汁の10%(内割り)添加した試料を調製した。なお、マヨネーズは加熱終了後煮汁に添加した。各試料ゾルの透過色、pH、動的粘弾性、17O-NMRによる緩和時間(T1)、電気泳動による分子量分布の測定及び光学顕微鏡による脂肪球の観察を行った。次いで各試料を内径32mm、高さ15mmのペトリ皿に分注し、冷蔵庫で24時間保蔵後のゲルの破断特性を比較した。
    【結果】食酢及びワインビネガー添加試料のpHはいずれも水煮試料と比べて酸性側(pH5.0_から_6.0)にあり、得られたゲルは破断特性・動的粘弾性ともに加熱時間に伴い硬さを増した。牛乳・塩添加も同様に硬いゲルとなった。加熱60分における電気泳動結果より、食酢及びワインビネガー添加試料は他に比べ低分子化の状況が認められた。マヨネーズ添加試料は対照に比べ弱いゲルとなった。抽出ゼラチンに水と油の乳化液を添加したモデルゲルも対照より弱くなったことより、油はゲル形成に抑制的に働くことが推測された。
  • *永塚 規衣, 秋山 庸子, 江間 喜美子, 武田 真一, 西嶋 茂宏, 長尾 慶子
    一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
    2004年 56 巻 3-1-19
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】近年、活性酸素による生体への障害作用が明らかとなり、健康志向から活性酸素消去物質の検索に関心が持たれている。
    煮こごり
    は魚肉を長時間加熱し、旨味成分やコラーゲンを溶出することに特徴がある調理であるが、本研究ではその際の加熱時間、添加調味料、香味野菜等の調製条件が活性酸素量の発生に影響を及ぼすと推察されたので、以下のような条件で活性酸素量の動向を追跡することにした。
    【方法】材料は魚のかれい、牛すね肉、豚すね肉、鶏手羽先を用いた。それぞれ、約1cm角切り50gに6割の水(30ml)を加えて600Wの電熱器で加熱、沸騰後火力を300Wに調節して、10分から120分の定時間加熱を行った。加熱終了後、各試料をろ過し、煮汁が30mlとなるように調製した。その後10倍及び100倍に希釈した各試料200μlに1%過酸化水素溶液100μlと300μMルミノール溶液200μlを添加したのち、SIRIUSシングルチューブルミノメーターにより活性酸素量を測定した。さらに鶏肉を試料として取り上げ、調味料(酢、塩、ワイン等)及び香味野菜(セロリ、パセリ、生姜、にんにく等)を煮汁の10%添加して調製し、上記と同様に測定した。
    【結果】
    煮こごり
    材料の中で活性酸素量が最も著しかった食材は牛すね肉であった。また、活性酸素量は加熱時間の経過と共に減少し、加熱処理による影響が見られた。活性酸素消去能を有すると考えられる香味野菜や添加調味料については特にセロリ、パセリや酢、醤油などの添加によって活性酸素量の減少がみられたため、これらには抗酸化能があると考えられた。従って、
    煮こごり
    調理におけるそれらの添加効果が期待される。
  • 冨岡 典子, 太田 暁子, 志垣 瞳, 福本 タミ子, 藤田 賞子, 水谷 令子
    日本調理科学会誌
    2010年 43 巻 2 号 120-130
    発行日: 2010年
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    日本においてエイの食習慣が形成された背景および地域性を明らかにすることを目的に,「平成15・16年度日本調理科学会特別研究―魚介類の調理」および『日本の食生活全集』を主な資料として検討した結果,以下のことが明らかになった。
    エイは,東北,近畿,中国地方の海から遠い内陸部や山間部地域の晴れ食には欠くことのできない食べ物として供されていた。エイの魚肉は尿素含量が高く,魚類としては腐敗しにくい特性を持ち,日持ちのする無塩もの(鮮魚)として調理できること,また,乾物にして保存し,利用できることなど,海から遠い地域でも利用できる条件を満たす海魚であった。エイは,肉,ひれ,骨のすべてが食用になり,軟骨特有のコリコリとした歯ごたえおよび煮もの調理によって形成されるゼラチン質の
    煮こごり
    などの食感は,日本人の嗜好に合い,本草書に記されたエイの食品価値は,民間に伝わったアカエイの肝の薬効とともに高く評価されてエイの食習慣が定着した。
  • 佐藤 久美, 村上 和雄, 花岡 研一, 長尾 慶子
    日本家政学会誌
    2011年 62 巻 2 号 93-99
    発行日: 2011/02/15
    公開日: 2013/07/31
    ジャーナル フリー
     We measured under various conditions the amount of total arsenic in cooked kombu and its soup for preparing kombu-tsukudani. We also examined the anti- oxidative capacity by using the peroxyl radical scavenging activity as its index. We found that the arsenic species eluted from kombu depended on the heating time and that its effect was strongly influenced by the seasoning added. The amount of total arsenic in kombu-tsukudani was less when it was cooked after replacing the soaking water with fresh water than with no replacement. However, the peroxyl radical scavenging activity in the water extract was maintained in the kombu-tsukudani when the soaking water was replaced with fresh water. The addition of vinegar and replacing the soaking water with fresh water reduced the total arsenic and retained unchanged the anti-oxidative capacity. This addition and replacement was clearly a good way of making kombu-tsukudani. The anti-oxidative capacity was also greatly increased when we added soy sauce and mirin, a type of seasoning, and condensed the boiled soup when making kombu-tsukudani.
  • 北尾 悟, 安藤 真美, 西井 彩
    日本調理科学会誌
    2014年 47 巻 1 号 25-30
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/04/11
    ジャーナル フリー
     茶カテキン類の主要化合物であるエピガロカテキンガレート(EGCg)と各種糖質化合物(グルコース,フルクトース,およびスクロース)との混合モデル系を設定し,中性pH条件下,加熱調理過程におけるペルオキシルラジカル捕捉活性およびEGCg量の測定を行った。
     外部加熱法の1つである湿式加熱において,糖質化合物が加熱にともなうEGCgのペルオキシルラジカル捕捉活性ならびにEGCg量の減少を有意に抑制する効果を示した。また,内部加熱法の1つである電子レンジ加熱においても,糖質化合物が加熱にともなうEGCgのラジカル捕捉活性の減少を有意に抑制した。これら糖質化合物はEGCg量の減少を抑制する傾向も示したが,有意な差は見られなかった。
     EGCg量とラジカル捕捉活性との間で相関性が認められたため,検討した糖質化合物は加熱によるEGCgの減少を抑制し,ペルオキシルラジカル捕捉活性を維持する効果があることが明らかとなった。
  • *永塚 規衣, 木元 幸一, 長尾 慶子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集
    2004年 16 巻 2C-a10
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】昨年の調理科学会大会において、
    煮こごり
    調製時、特に煮汁に溶出したコラーゲンの可溶化と調味料との関係に注目し、各種調製条件の違いが
    煮こごり
    の物性に及ぼす影響について報告した。今回はコラーゲンの可溶化と加熱時間及び加熱温度との関係に注目し、
    煮こごり
    の物性変化を微視的に追跡・検討を行った。
    【方法】試料の鶏手羽先を約1cm角切りにし、50gに全面が水に浸る水量30gを加え600Wの電熱器で加熱、沸騰後火力を300Wに調節して、10分から120分までの定時間加熱した後、各試料をろ過し、煮汁が30mlとなるように調製した(100℃加熱試料)。同様に加熱温度を90℃に保持しながら加熱した試料を調製した(90℃加熱試料)。各試料ゾルの動的粘弾性、17O-NMRによる緩和時間(T1)、動的光散乱による粒度分布、GPC及び電気泳動による分子量分布を測定した。次いで各試料を内径32mm、高さ15mmのペトリ皿に分注し、冷蔵庫で24時間保存してゲル化させ、破断特性を比較した。
    【結果】鶏手羽先は加熱を続けるほど動的弾性率が増加し、硬いゲルを形成した。緩和時間も加熱時間の経過と共に短くなる傾向がみられ、水分子の活動が抑制されていることが推測された。また、動的光散乱、電気泳動結果より、加熱時間と共に粒径及び分子量が小さくなる傾向がみられた。肉中のコラーゲンは加熱すると熱変性しゼラチンとなるが、溶出された成分のうち、α成分が特異的にゲル形成能が高い傾向にあると示唆されており、本GPC結果から加熱時間の経過と共にα成分が増加している傾向が認められた。また、100℃加熱ゲルが90℃加熱ゲルよりもゲル強度の高いゲルを形成していた。
feedback
Top