種々ノ刺戟又ハ外傷ニ因ル聽器傷碍病理ノ實驗的研究ハ吉井氏ノ生體固定法ニヨリテ劃期的進展ヲ遂グルニ至レリ.
聽器ニ生理的ニ過度ナル音響 (純音, 不純音,
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等), 就中
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ヲ作用セシメタル場合ノ聽器障碍ニ關シテハ, 本教室和辻前教授, Wittmaack 兩氏ニ依リテ初メテ本態及ビ成因ハ闡明セラレシモ, 爾來多數ノ學者ニ依リテ種々ノ動物及ビ
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ヲ用ヒテ追試セラレ更ニ究明セラレタル點少カラズ. 併シ乍ラ聽器迷路ノ主トシテコルチ氏器ノ一定部位並ニ之ニ關聯セル神経系ニ病變ノ惹起スル事ハ一般ニ是認セラルヽ所ナレド, 其ノ成立機轉ニ關シテハ他ノ音響ノ場合ト同様ナリト説ク學者アリ, 又異ナルト強調スル學者モアリテ多年論爭ノ中心トナリ, 今日尚一致ヲ見ズ. 尚從來ノ實驗的研究ニ於テハ專ラ内耳病變ノミヲ研究ノ對象トシテ中耳, 殊ニ鼓膜損傷ニ就テハ重視セザル學者多シ.
茲ニ於テ余ハ海〓ヲ用ヒ, 生前並ニ死後 (洗血死, 斷頭死) 一定時間ヲ經テ, 拳銃
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ヲ作用セシメテ惹起スル聽器病變ヲ組織學的ニ検索シ, 以テ鼓膜損傷ノ知見ヲ更ニ深メルト共ニ聽器迷路病變未解決ノ問題解決ニ寄與シ, 又死後ニ於テハ該變化ヲ時間的経過ト共ニ觀察シテ, 生前ニ於ケル實驗成績ト比較研究シ, 生前ニ於ケル聽器傷碍病理ヲ補遺セリ.
本實驗ニ於テ, 生前ニ於テハ勿論, 死後ニ於テモ又固定後ニ於テモ同樣ニ聽器ニ外傷性變化ヲ惹起セシメタリ. 聽器諸組織ノ抵抗力ハ生前ニ於テ最モ強ク, 死後ニ於テハ生前ニ比シ弱ク, 而シテ時間的経過ニ從ヒ漸減スレド, 死後變化ヲ來セルモノハ著シク弱シ. 尚生體固定法ヲ施セルモノモ生前ニ於ケルモノヨリ弱ク, 死後變化ヲ來セルモノヨリ強シ. 死後ニ於テハ
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作用ニ因リ死後變化以外ニ著明ナル外傷性變化ヲ招來シ, 30分以内ニ於テハ變化樣式ハ生前ニ於ケルモノト大同小異ナレド, 死後時間的経過卜共ニ壓迫現象著明ニシテ, 從ツテコルチ氏器モ種々ノ程度ニ壓縮セラル. 又固定後モ多少趣キヲ異ニセルヲ認メタリ. コルチ氏器並ニ神経系ノ變化ハ死後, 固定後ニ於テモ生前ニ於ケルト全ク同樣ニ同時性ニ招來セリ.
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