キトサン酢酸塩 (CS・AcOH) 存在下でメタクリル酸ナトリウム (MAA・Na) を, 水溶液中30℃でラジカル重合を行い, 重合速度 (R
p) 及び生成ポリ (メタクリル酸) (PMAA) の分子量に対するキトサン (CS) の鎖長及びCS濃度 (2.62~0.65g/d
l) の影響を調べた. CS・AcOH/MAA・Naのモル比は1とした. R
pはCSの鎖長に依存性を示した. この重合中で, CSと生成PMAAから成るポリマーコンプレックスは沈殿した. 重合条件を変化させても, このポリマーコンプレックスの組成, (CS) c/ (PMAA) cはほぽ1であった. CSの (
C*) 以下の場合, 生成PMAAの分子量は重合率の増加とともに直線的に増加した. CSの (
C*) を越えると, この直線部分の傾斜は増大を示した. CSの (
C*) 以下において, 重合率100%に外挿した推定PMAAの重合度はCSの鎖長とほぼ直線関係にあることがわかった.
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